TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、イスラエル・パレスチナ問題の唯一の解決策と目されている“二国家解決”について取り上げました。

◆“二国家解決”とは?
イスラエルによる境界封鎖が続くパレスチナ自治区ガザで、7月に入り食糧事情が急速に悪化。国際的な非難が高まるなか、ニューヨークの国連本部では7月28日にパレスチナ問題の解決を目指す閣僚級の会議が開かれました。その会議はパレスチナを国家として承認する方針を示したフランスなどが主導。パレスチナの国家樹立によるイスラエルとの二国家解決が唯一の解決策だという共通認識が示されました。しかし、会議に反発するイスラエルやアメリカは参加しておらず、実効性が課題となっています。
“二国家解決”というのは、イスラエル人とパレスチナ人双方が国境のある国家をそれぞれ持つことに合意し問題を解決することですが、世界の国連加盟国193のうち、140以上の国がこれを承認しています。しかし、アメリカやイギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本といったいわゆるG7の国々が未承認でした。
そうしたなか、今回の会議でフランスのマクロン大統領がG7としては初めて二国家解決の承認を表明。そして今、フランスに追従するのか、各国が問われています。ちなみに、堀によるとイギリスでは現政府に対し、フランスに続くべきだという市民デモが起きているそうです。
◆国家承認を巡る、日本の現在の立ち位置は?
では、日本はどうなのか。キャスターの堀潤曰く、二国家解決を支持し、関係者との政治対話、当事者間の信頼醸成、パレスチナ人への経済的支援を通じ積極的に貢献していくというのが外務省の見解だそうですが、現政府はあくまで慎重な姿勢をとっています。
こうした状況に、エッセイストでメディアパーソナリティの小島慶子さんは「アメリカへの配慮があるかもしれないが、人道的な問題、人の命に関わる問題で、パレスチナをこのまま放置しておけば、同じようなことがまた世界各地で起きてしまう。ここははっきりとした意思表明を日本としてもしてほしいと、私は思う」と自身の見解を述べます。
一方、モデルでタレントの藤井サチさんからは「例えば民間企業が何か協力することはできないのか?」との声が。
これに堀は「世界の人道危機と言われるものに対し、経済界からのメッセージはすごく弱い。そこから声があがれば、国だって変わってくるかもしれない」と答えます。
また、キャスターの豊崎由里絵は「国際的なスポーツの大会では(出場国を紹介する際に)“◯◯の国と地域”ということが当たり前になっていて、そこに思いを巡らすことを忘れてしまっていることに気付かされた」と言います。
さらには「ガザの食事風景も子どもたちがお鍋を持ってご飯が欲しいと言っている姿を見慣れてしまっている。(私たちは)いつの間にか思考停止してしまっているので、やっぱりもう一度日本の立場も含めて考え直すべきだと思う」と話していました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx