TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子どもの水難事故”について取り上げました。

◆夏場に増える水難事故、去年は過去10年で最多
警察庁の発表によると、去年の水難事故発生件数は1,535件。これは過去10年で最多です。そして、水難事故による行方不明者数と死者数は816人となっています。また、場所別の割合も出ており、中学生以下の子どもが死亡、もしくは行方不明になった水難事故は河川が最も多く、6割を超えています。
夏は水辺の事故の懸念が高まる時期。そこで、今回は特別な場所で行われている水難事故のリスクを減らす取り組みを取材しました。
子どもたちが泳ぎの練習をしている場所は普通のプールではなく、東京オリンピックの競技会場にもなった「カヌー・スラロームセンター」。ここは海や川の流れを再現することができ、溺れた場合の対処法など、水辺での安全対策を実践的に身につけることができます。
そこで子どもたちは「川の激流」を体験。強い流れを経験することで実際に遭遇した際もパニックにならず、落ち着いて対処する方法を学びます。
また、海で発生する岸から沖へと向かう強い流れ「離岸流」も体験。流れに逆らって泳ぐのは大人でも困難ですが、子どもたちはここで離岸流から抜け出すことを学ぶことができます。通常、離岸流の幅は10~30m程度の場合が多く、浜と平行に泳ぐことで流れから抜け出せる可能性が高いということです。
プロジェクトを企画した団体は、昨今、こうした実践的な水難事故対策の必要性が増していると危惧。日本財常務理事の海野光行さんは「プールでの教育が少なくなっているというのもあるが、その前に海や川で遊ぶ人が少なくなっている。要は、体験していればどう対処すればいいのか同時にわかると思うが、その経験が少ないとなると、こういうところで経験してもらわないといけない」と注意を促します。
◆五輪会場を活用した水難事故対策に、識者は絶賛
脳科学者で理学博士の茂木健一郎さんはこの取り組みに対し「普段の水泳の教育とは全く違った視点。脳の仕組みからいうと、一度経験しているか・していないかで全然違う」と指摘した上で「実際に経験することでいざというときに慌てないで済む。だからこれが本当に誰かの命を救うかもしれないし、素晴らしい試み」と絶賛。
元衆議院議員の金子恵美さんも「子どもに『川や海、水は怖い』と言い聞かせても、やはりいざそれを体験してみないとわからない。言葉でいくら言っても、それは大人だってパニックになってしまう。体験することはとても大事。いい取り組みだと思う」と称賛します。
一方、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは「やはりライフジャケット(を水辺では着用することが大事)だと思う。これで救命率が圧倒的に上がる」とライフジャケットの重要性を強調していました。
ちなみに、キャスターの堀潤は過去に離岸流に遭遇したことがあり、「おっかなかったですね」とそのときのことを回顧。「力を抜いて、流れにまず身を任せてっていうのを思い出して、抵抗はやめようと思ってからなんとか抜け出せた」と振り返っていました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx