超高齢社会となり、住民の健康に過ごせる期間=「健康寿命」を延ばそうと、東京都内の各自治体が取り組みを強化しています。

渋谷区が8月26日、区役所の15階で高齢者を対象に行っていたのは「フレイル予防」のイベントです。フレイルは「虚弱」を意味する言葉で、超高齢社会となる中、自治体は「フレイル予防」に力を入れています。会場では講演会やさまざまな体験ブースが用意され、多くの高齢者が集まりました。
イベントでは脳を鍛えるためのいわゆる「脳トレ」や折り紙での工作ができるほか、ボッチャの体験コーナーも設置され、参加した高齢者は知識だけでなく指先や体を使ってフレイル予防を体験しました。イベントに参加した人の中には「こんなに多くの人が来ていることにびっくりした。閑古鳥かなと思っていたけれどすごいね。積極的に取り組まないと。こもっていたら本当にフレイルになっちゃうから」(80歳男性)、「ちょっと頭が弱ってきたから、参加して刺激を与えて。『無理をしないで怠けない』を目標に100歳を目指しています」(87歳女性)と話す人もいました。
フレイル予防の取り組みは他の自治体でも行われています。
目黒区が開催したのは“60歳以上の人のみ”を対象にしたダンス教室です。この日、目黒区にあるダンススクールのスタジオに集まったのは、区内に住むシニアたちです。指導したのはダンスボーカルグループのEXILEなどが所属する「LDH JAPAN」が開くダンス教室の講師で、LDHが目黒区内に本社を構えることから区が企画し実現に至りました。
この「高齢者のダンスレッスン」に参加した人からは「楽しくて、若い時のことを思い出した。(若い時はよく踊っていた?)少し…」(60代女性)、「ディスコでYMCAを踊った頃を思い出した。(参加は)振り付けとかついていけるかなと結構不安だったが、すごく楽しかった。仲間もみんな同い年ぐらいだったので安心してできた」(60代女性)などといった声も聞かれました。
実は、これも取り組みの狙いの一つです。目黒区健康福祉部・介護保険課の担当者は「これまでシニアといっても60代ぐらいの人に響く取り組みができていなかった。その世代の人の背景を分析するとディスコブームなどを経験した世代ということで、踊ることに興味を持つのではとダンスを絡めた取り組みの実現に至った」と話します。
3回で合計90人の募集に対し、区内の高齢者およそ300人から応募があるなど需要の高さもうかがえました。レッスンにサプライズで参加したEXILEのTETSUYAさんは「ダンスがこういうふうに活用されていくのは僕らもうれしい。さらに目黒区と一緒にタッグを組んで取り組みを広げていきたい」と話し、区と共にダンスを通じたフレイル予防をさらに広げていきたいと期待を寄せています。