東京・足立区鹿浜にある木造2階建てのアパートで8月25日、足立区による取り壊しの行政代執行が始まりました。解体作業が始まったアパートは2階の床が抜けていて、いつ崩れ落ちてもおかしくない状態になっていました。

このアパートはおよそ4年前に全ての部屋の居住者が退去して空き家になりました。その後、老朽化による崩落の恐れが出てきたため、区が所有者に対応を求めてきましたが改善されず、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす「特定空き家」に認定されていました。そしてこの日、代執行に踏み切りました。
近隣住民は「所有者が周りの草取りをやっていた時もあったがそのうち誰も来なくなって、廃屋みたいになっていた。怖かった。(穴が開いていて)向こうが見えてしまう」「風が吹くと飛散物が飛んでいた。それがちょっと怖い。比較的早い対応でよかったと思う」などと話していました。
区は所有者宛てに去年から4回にわたり「指導文書」や「勧告文書」を送付し何度も面会を行いましたが、所有者は「老朽化したのは私のせいではない」として対応しなかったということです。
区によりますと区内に3軒ある「特定空き家」における行政代執行はこのアパートが初めてで、工事は10月末に完了する予定です。解体などにかかる費用およそ410万円は所有者に請求されます。区の担当者は「このまま放っておくと台風シーズンで屋根が壊れる、風で飛ぶといった大きな影響がある。区としては早めに処理・対応したい」としています。