東京都の小池知事は8月25日、農林水産省を訪れ、小泉大臣と面会しました。小池知事は全国知事会で国産木材の活用を推進するプロジェクトチームのリーダーを務めていて、小泉大臣に国産木材の産業発展に向けた対策の強化を求めました。

国土交通省によりますと、全国で所有者と連絡がつかない森林はおよそ3割に上っていて、小池知事は所有者や土地の境界を明確にすることで生産を拡大するとして、法整備の検討を訴えました。小池知事は面会後、記者団に対し「空き家と同じように山林も誰が所有者なのか分からない。例えば境界を確定するなど、ノウハウを使ってそれを進めていく」と語りました。
小池知事の要望に対し、小泉大臣は「取り組みを進める」などと応じたということです。
<都内の木材生産 ピークの3分の1に減少 背景に所有者不明の森林>
木材の生産について、東京都は多摩地域で育った木材を「東京の木 多摩産材」とアピールしていて、1950年代から60年代にかけては高度経済成長期の需要に対応するため、スギやヒノキなどが広く植えられました。一方で都内の素材生産量を見てみると年々減少傾向にあり、現在、ピーク時の3分の1以下となっています。
この背景には、全国ではおよそ3割に上る「所有者不明」の森林があります。
特に多摩地域では所有面積5ヘクタール未満の小規模所有者がおよそ9割を占めていて、複数の所有者がいる共有林のほか、登記がされていない森林も多く、森林整備の障害となっています。
こうした中、小池知事は「登記や土地の境界の確定を進める」として、小泉農水相に法整備を含めた対応を検討するよう要望しました。