乗り物酔いは「ある音」を聞くだけで予防できる…そのメカニズムと乗り物酔いの予防法・対処法を紹介

2025.08.11(月)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子どもの乗り物酔い”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子どもの乗り物酔い”について取り上げました。

◆小中学生の30〜40%が乗り物酔いに…

“乗り物酔い”とは、乗り物の発進や停止の反復、スピードの加速・減速など慣れない刺激を耳の内部にある三半規管が繰り返し受けることで脳が混乱し、冷や汗やめまい、吐き気などの症状が出ることです。特に、子どもは三半規管が未発達なため大人よりも乗り物酔いになりやすく、小中学生の30〜40%が乗り物酔いになると言われています。

そんな乗り物酔いに関して、最新の研究で予防効果が期待できる行為が明らかになりました。それを発見したのは名古屋大学 環境労働衛生学・加藤昌志教授です。加藤教授らの研究チームは、乗り物酔いが発症する要因、並行機能のバランスをとる耳の内部にある“前庭”の活性の弱まりを予防する“音”を発見。

「乗り物酔いが、内耳前庭の元気がなくなって起こるのであれば、そこを元気にしてあげればうまく発症を予防できるのではないかと考えた」、さらには「内耳前庭を元気にするような“音刺激”を見つけた」と加藤教授は言います。

その音というのが、滝の音に含まれる低周波の音だとか。加藤教授は「大きな滝が流れる音のなかのほうに含まれているような音。その音をサウンドスパイスと名付けているが、そのサウンドスパイスを短時間、1分とか短い時間で予防できる」と解説します。

乗り物に乗る前にその音を約1分聞くと、前庭が刺激され細胞が活性化。乗り物酔いの予防が期待できるそうで、すでに実験でも良い結果が。被験者にブランコやドライブシュミレーターに乗ってもらい、音を聞かせた場合と聞かせなかった場合を比較したところ、7〜8割の人に乗り物酔いの症状が出なかったそうです。

現在は、まだ実験段階で実装に向け企業と取り組みを進めており、自動運転化が進むなか、今後は車内でのパソコン作業などが増えることが考えられるとあって、乗り物酔い対策がますます必要になってくると想定し、まずは車での活用を目指しているということです。

加藤教授によると、この音が子どもにも使えるよう調整しているそうで「少しでも乗り物酔いを防いで、遠足や社会科見学を楽しんでもらえるようになれば」と話していました。

◆乗り物酔いの予防法と、乗り物酔いになってしまったときの対処法

さらに番組では、今すぐにできる乗り物酔いの予防法と、乗り物酔いになってしまったときの対処法も紹介。

まず予防法としては、「空腹・満腹を避ける」、「十分な睡眠」、「座席の位置」で、バスであればタイヤの真上は酔いやすいと言われているため、前から4〜5番目がいいとか。船なら中央部がいいそうです。

一方、対処法は「乗り物から降りる」、「横になってベルトや服をゆるめ、腹式呼吸を行う」、「頭部を冷やす」、「窓を開けて自然な空気で換気する」とのことでした。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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