最低賃金アップで…雇用側「物価高で賃上げはカツカツ」 従業員側“年収の壁”に懸念も

2025.08.07(木)

10:10

最低賃金の今年度の改定額の目安が8月4日に決着し、全国平均は現在の1055円から1118円へ、東京は全国で最も高い1226円(+63円)となる見込みです。これに対し、街の商店からは人件費の増加を苦慮する声も聞かれます。

最低賃金の今年度の改定額の目安が8月4日に決着し、全国平均は現在の1055円から1118円へ、東京は全国で最も高い1226円(+63円)となる見込みです。これに対し、街の商店からは人件費の増加を苦慮する声も聞かれます。

東京・品川区にあるお好み焼き店の店主は「材料費もかなり上がっているので、賃金を上げるとなると本当にカツカツの状況。人数を確保しようと思うとどうしても(賃金を)上げていかなければいけないが厳しい」と打ち明けます。時給1300円で5人の従業員を雇うこのお好み焼き店では、時給の高騰による人材確保に課題があると話します。店主は「人手不足でどんどん他の店も時給上げているので、それに合わせて上げていかないと募集をかけても人が集まらない状況」といいます。物価高騰が続く中、この店ではなるべく安い仕入れ先を選ぶなど、材料費を抑える工夫で価格は据え置きしていて、これ以上の人件費の増加は厳しい状況だといいます。

一方、街行く人からは時給の上昇はありがたいという声が相次いだ一方で、社会保険料の負担が発生する、いわゆる「年収の壁」を不安視する声もありました。街の人からは「効率よく稼げるのはいいが、扶養を考えると(シフトに)入れる時間は減る。いま(時給が)増えるとなると、だいぶん(シフトを)減らさないといけない」(10代・アルバイト)、「調整をしながら元々働いているが、さらに気を付けないといけない。そうなると店側も困ると言うし。みんな板挟みになってしまう。(時給が上がるのは)ありがたいのはありがたいんですけれど」(50代・パート)などといった声も聞かれました。

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