“7月に男児がプールで溺れ死亡” 同じスポーツクラブで去年女児も溺れていた

2025.08.05(火)

10:20

7月に小学1年生の男の子が溺れて死亡した事故があった東京・小金井市のスポーツクラブのプールで、去年も別の女の子が溺れる事故が起きていたことが明らかになりました。

7月に小学1年生の男の子が溺れて死亡した事故があった東京・小金井市のスポーツクラブのプールで、去年も別の女の子が溺れる事故が起きていたことが明らかになりました。

小金井市にあるスポーツクラブ・メガロス武蔵小金井の室内プールで7月28日、学童保育の一環として訪れていた小学1年生の男の子(6)が溺れ、死亡しました。プールの水深はおよそ1.2メートルで、事故当時、プールにはスポーツクラブの監視員と学童保育のアルバイト職員の合わせて2人が見守っていたということです。

その後の関係者への取材で、この施設では去年=2024年3月にもキッズスイミングに参加していた10歳未満の女の子が溺れる事案があったことが分かりました。女の子の命に別条はなかったということです。施設を運営する会社では去年の事故を受け、再発防止策を作り、保護者らに配布していたということです。

<短い期間に“溺れる事故”が2回>

小金井市のスポーツクラブのプールで、子どもの水難事故が短い期間のうちに2度も起こっていたことが明らかになりました。施設は再発防止策を作成していたものの、なぜ防げなかったのでしょうか。改めて事故の経緯を見てみます。

7月28日、学童保育の一環として、子ども十数人がプール遊びをしていました。当時、スポーツクラブの監視員と学童保育のアルバイト職員の合わせて2人が見守っていましたが、水に入ってから10分もたたないうちに小学1年生の男の子が踏み台のない場所で浮いていたということです。男の子は浮き具などは着けていませんでした。事故が起きたのは水深1.2メートルの25メートルプールで、男の子の身長は113センチだったということです。

その後の関係者への取材で、この施設では去年も10歳未満の女の子が溺れる事故が起こっていたことが分かりました。

<光の屈折と反射で見えづらく 専門家「プールに入る時も上がる時も一緒に」>

ではどうすれば水の事故は防げるのでしょうか。水難学会理事の斎藤秀俊さんは「光の屈折と反射に注意してほしい」と呼びかけます。

水底におよそ110センチの子どもの人形を置いて、どこまで近づけば人形の存在を認識できるのか調べた実験映像を見てみると、人形から5メートル離れた陸上からでは全く確認できませんでした。その後、4メートル、3メートルと近づいても分からないままで、2メートルまで近づいてようやく子どもの人形が見えてきました。

斎藤さんは「1回沈んでしまうと、プールサイドから見てもなかなか発見できない。というのは、水の中を通る光の屈折と反射、2つの現象が重なると水中のものが見えなくなってしまう。(今回の事故は)水面と水底の間ぐらいのところに浮かんでいたのかもしれないが、そうなれば、どうやっても陸上からの発見は遅れる」と指摘しました。

斎藤さんは、他にも「プールサイドから監視していても、25メートルの長さになると1人で全体を見渡すことは不可能」と指摘しています。そして、相次ぐ水難事故を防ぐためにも、大人や指導員は「プールに入る時も上がる時も、子どもと一緒に行動してほしい」と呼びかけています。また、プールの正しい入り方を教え、水中で実践させてからプールを利用するようにしてほしいと話しています。

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