心停止で倒れた男性を助けた6人に感謝状 連携して心臓マッサージやAEDで救命措置

2025.07.17(木)

10:20

JR東京駅で心停止となり倒れていた男性を連携して救助したとして、6人に感謝状が贈られました。

JR東京駅で心停止となり倒れていた男性を連携して救助したとして、6人に感謝状が贈られました。

感謝状が贈られたのは、JR東京駅構内で突然50代の男性が倒れたところに居合わせ、救助に当たった6人です。男性は心停止の状態だったため、6人は救急車が到着するまで連携して心臓マッサージやAED=自動体外式除細動器を使った救命措置などを行いました。

これによって男性は一命を取り留め、7月16日に行われた贈呈式にも出席し、再会を果たした“恩人”たちに感謝の言葉を述べました。東京駅で倒れたものの救助された近藤丈太郎さん(57)は「私もすっかり元気になり、どんな方々に救助してもらったんだろう、当時の東京駅はどんな状態だったのかなと、感謝の念がある中で思ってきた。本当に助かったんだと改めて身に染みて感じている」と語りました。

7月16日の贈呈式で感謝状を受け取った4人(2人は欠席)は警備員や消防団に所属する会社員たちで、これまでに上級救命講習を受講し、心肺の蘇生方法やAEDの使い方を学んでいたということです。救命活動をして感謝状を受け取った宮本隆暉さんは「ずっと助かったのかなと気になっていた。お会いできて本当にうれしい」、同じく感謝状を受け取った五十嵐浩二さんは「今後も同じようなことがあれば同じように対応するし、後輩たちにも同じように指導していきたい」と話しました。

<突然の心停止…ためらわずAED使用を>

心停止となってから電気ショックまでの時間と救命率を調べた総務省消防庁のデータによりますと、AEDなどによる電気ショックが1分遅れるごとに救命率はおよそ10%ずつ低下するということです。119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は10分であることから、救急隊の到着を待たずにAEDを使用することが重要となります。また、突然心停止となった人を救命するためにできることは、119番通報や心臓マッサージ、AEDによる電気ショックなどがありますが、119番通報をしてそのまま救急隊の到着を待った場合の生存率は7.3%ですが、救急隊を待っている間に心臓マッサージをした場合の生存率は14.8%に、さらに心臓マッサージに加えてAEDを使用すると54.2%となり、突然心停止になった人の半数以上を救うことができます。

日本AED財団は「AEDは素肌に張り付けることができれば、使用時に服を全て脱がす必要はない」として、女性などへのAED使用もためらわないでほしいと呼びかけています。また万が一、対象者が命を落としてしまった場合でも悪意や重い過失がない限り、責任を問われることはないため「勇気を持って行動してほしい」と呼びかけています。

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