高校生の不登校生徒数が過去最多に…そこで始まった東京都の新たな対策「校内居場所カフェ」

2025.07.09(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“不登校”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“不登校”について取り上げました。

◆高校の不登校生徒数が過去最多に

文部科学省(文科省)が発表した高校における不登校生徒数は、新型コロナの影響を受けた2020年に一度減少するも、それ以降年々増加。昨年度は過去最多の6万8,770人となりました。

この要因について、学校側が把握したところでは「学校生活に対してやる気がでない」が最も多く、次いで「生活リズムの不調」、「不安・抑うつ」となっています。また、文科省は不登校生徒数増加の背景に関し、高校進学・クラス替えなどに伴う不適応の増加やコロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられると分析しています。

◆不登校防止につなげる取り組みを紹介

こうしたなか、東京都教育委員会では、不登校防止などにつなげるため校内での新たな取り組みを開始。小中学校での不登校の経験がある生徒などが通うチャレンジスクール、足立区の東京都立小台橋高等学校では、去年4月に新しくなった校舎のなかに「校内居場所カフェ」が設置されました。

そこは放課後や休み時間など授業がない時間に利用でき、ユースソーシャルワーカーが生徒の話を聞いてくれます。ユースソーシャルワーカーとは、悩みや問題を抱える学生の相談を受け自立支援を行う、福祉などに関する専門知識を持つ東京都の職員で、彼らは生徒たちとカフェのような場所でリラックスした状態で会話することで悩みを早期発見し、支援できる体制を作っています。

都教育庁・ユースソーシャルワーカーの五十嵐さんによると、校内居場所カフェでは他愛もない話をすることもあれば、相談を受けることもあり、その中身も多岐に渡るそう。そして、「生徒によってはこのカフェがあるから学校に来ているという声も聞くので、それを考えると不登校の未然防止にアプローチできている部分もあるのかなという気がする」と話します。

こうした取り組みに、「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは、不登校になる理由はさまざまなものの「バイトが忙しいとか、学校によっては0限や7限があり生活に余裕がないとよく聞く。本当に高校生活が張り詰めている」と今の学生たちの多忙さを危惧。

その上で「そうした構造的な問題解決が必要だと思うし、不登校になる子が悪いという目線ではなく、こうした取り組みや構造・制度を変えていくような取り組みが増えれば」と期待します。

国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは「僕はカリキュラムの問題が露呈しているように思えてならない」と今の学校の制度に苦言を呈します。「例えば、北欧などと比較すると歴然とするが、日本は“パッシブラーニング”といって受け身で、知識を入れる、先生に言われたことをやるという従順さで想像力に火がつかない。一方で北欧は“アクティブラーニング”といって自分から(課題を)探して周りに教えたり、教え合ったりして、わからないことを楽しめるようにしている」と日本の教育の問題点を示唆。

これに、キャスターの堀潤も「教室の席の並びを見ても全員前を向く座り方、海外に行くとサークルになっていたりする」と賛同。総じてモーリーさんは、「アクティブで興味がある、なんでもいいから興味を持っちゃう子どものハートに火をつけるようなカリキュラムを設計し直したほうがいい」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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