TOKYO MX（地上波9ch）の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」（毎週月～金曜17:59～）。育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、子どものSNS利用について考えました。
◆世界初、豪で子どものSNS利用を禁止に
2024年11月28日、オーストラリアの議会で16歳未満の子どもがSNSを使えないようにする法案が賛成多数で可決成立。早ければ1年後に施行される予定です。国家レベルで子どものSNS利用を禁じるのは世界初で、これは保護者の同意があっても使用を認めないということです。
深刻な違反をした場合は事業者に対し最大4,950万オーストラリアドル（約50億円）の制裁金。子ども・保護者への罰則はありません。なお、禁止対象はXやInstagram、TikTok、Facebookなど。YouTubeやWhatsAppなどは使用可能となっています。
これに元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは、「選挙権であったり、表現の自由であったりは若年層に拡大していく方向というのが世界的な流れだったが、ことSNSに関しては“子どもの生命を守る”という視点も必要になってくるのかなと思う」と所感を述べます。
子どものSNS利用を規制しようという動きは世界中で広がっており、オーストラリア以外にもフランスやイギリス、アメリカの一部の州でも始まっているそうです。
◆もしもSNSが禁止になったら…
では、日本の子どもたちはSNSが禁止になったらどう思うのか。街頭で話を聞いてみると「ニュースとかもTikTokで見ているから何もついていけない」（15歳 女性）、「禁止になったら不便。SNSは頻繁に使うので、あってほしい」（14歳 男性）、さらには「禁止になったら暴れちゃう」（13歳 女性）という声も。
また、年齢によって規制された場合、同じ学年で使用可能な人とそうでない人がいることを懸念する子どもがいたり、保護者からは「完全に禁止だと逆に抜け道を探してしまうんじゃないか」（40代 女性）と案ずる声もありました。
なお、禁止に反対する意見が多かった一方で、「使えないのは悲しいが、誹謗中傷とかいろいろあったらかわいそうなので賛成」（12歳 男性）、「学校で話すのでそんなに変わらない」（15歳 女性）と禁止に肯定的な意見もありました。
この問題について、株式会社トーチリレー代表取締役の神保拓也さんは「全面禁止までは必要ないと思う」との見解を示し、「使い方さえ間違えなければ、今はデジタル当たり前の時代なので、（子どもも）ある程度デジタルの使い方に慣れたほうがいい」と言います。
そう語る一方で「同時に意識しているのは、デジタルの世界に面白いコンテンツはあるが、リアルの世界の面白いコンテンツを味わう前にデジタルのコンテンツばかりにハマってしまうというのは残念だと思うので、デジタルのコンテンツに負けないリアルコンテンツを体験させるようなことは教育としては意識したい」との意見も。
◆日本でも一部地域で独自ルールが
日本でも禁止とはいかないまでも独自のSNSルールを設けているところがあります。例えば、台東区では、教育委員会が「台東区立学校版SNS・インターネット活用ルール」を作り、子どもと保護者に対してルールを設定しています。
子どもに対しては、小学生は夜8時、中学生は夜10時以降スマホは保護者に預けるなど利用時間を決めたり、トラブルに巻き込まれないためのルールを設ける一方、保護者に対しては、青少年インターネット環境整備法を前提に子どもの利用状況を確認することや約束の時間になったら子どものスマホを預かるなどのルールを定めています。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは「なんの規制もなく（子どもにスマホを）持たせておくと24時間やっている。SNSのなかがいいものばかりだといいけれども、そうではないものも流れてきてしまう。ある程度、親や学校などが規制しないとそのまま信じてしまうし、あとは誹謗中傷がいじめの道具になる」と危惧。
また、キャスターの堀潤は「みんなでそういう話ができればいいが、なかなかそういう場所がない。危ういものを見ても言ったら怒られるかもしれないし。でもそういうのが共有できれば」と話していました。
＜番組概要＞
番組名：堀潤 Live Junction
放送日時：毎週月～金曜 17:59～19:00（※18:55終了の場合あり） ＜TOKYO MX1＞
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、豊崎由里絵、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X（旧Twitter）：@livejunctionmx
番組Instagram：@livejunction_mx
