日本の「男女格差」外国人はどう見る?

2025.06.16(月)

10:10

日本のニュースや課題を海外の人たちはどう見ているのか?中国出身の報道部・曹蒙記者が、世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。取り上げるのは「日本の男女格差」です。

日本のニュースや課題を海外の人たちはどう見ているのか?中国出身の報道部・曹蒙記者が、世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。取り上げるのは「日本の男女格差」です。

経済・政治・教育・健康、それぞれのジャンルで男女格差をスコア化した「ジェンダーギャップ指数」ですが、日本は146カ国中、総合順位が118位となっています。外国人にこの日本の現状についてどう思うのか、また自身の国の現状と理由について聞きました。

「146カ国中118位」、これは去年発表された男女の格差を表すジェンダーギャップ指数の日本の順位です。G7の中で比べてみると、ドイツの7位、以下ほとんどの国が50位以内で、日本は最下位となりました。

曹記者:「これから日本のジェンダーギャップ指数の順位が低いことについて、海外の方々はどう見ているのか、話を伺います」

Q:日本のジェンダーギャップ指数の順位が低いことについて、どう思いますか?

アメリカから:「日本の女性はキャリアよりもまず家族を重視する傾向があるのかもしれません」

ドイツから:「日本のジェンダーギャップは伝統的な性別役割のモデルに関係していると思います。でもそれは変わるべき、男性も家庭にいて家事をして、女性も働けるようにすべき」

多くの外国人が日本人の変わらない価値観が影響しているのではないかと話しました。さらに、こんな意見も…。

カナダから:「日本の仕事文化と関係あるかな。(Q:日本にどんな仕事文化があると思う?)仕事中心の文化が根付いていると思う。夜の11時に電車に乗ったが、ビジネスマンがまだたくさん乗っていて、しかも働いていたりしていた。私たちの国にない光景だ」「(子育てするなら)仕事にそこまで時間をかけられない」

そして日本よりも順位が低いインドから来た男性は日本の順位について、仕事の環境を挙げた上で自身の国の現状についても話してくれました。

インドから「正直さや誠実さといった価値観が根付いてるのは素晴らしいですが、全体的に仕事がハードすぎる印象です。インドは国が大きいので、全国的に平等になるにはもう少し時間がかかると思います」

ジェンダーギャップ指数の順位が低い日本。特に政治・経済の分野での女性の活躍が遅れています。日本では去年の衆議院選挙で過去最多、女性73人が当選し、国会議員の中で占める女性の割合が15.7%となり大きく前進しましたが、それでもG7の中で一番低い割合となっています。また、企業での女性取締役の割合においても日本は過去5年間で前進しているものの、G7の中においては最下位です。

続いて、自国の現状について聞きました。

カナダから:「政治や経済の分野で成功している女性がたくさんいる、しかも最近増えている。カナダでは育休は分割可能で、夫婦で自由に選べます。カナダでは法律で保障されているので、雇用主は拒否できない。妻は一年半取りました、延長も可能です。戻る時もなんの影響もないよ」

アメリカから:「自由という文化があり、自分が好きな時にやりたいことをやる。つまり誰にも依存したくない、自由に生きたい」

自国で男女格差の解消が進む理由として、外国人の多くが自立意識の強い文化や近年進む手厚い育児制度の整備を挙げました。

そしてアメリカから来た男性は、多文化社会も理由の一つではないかと話します。

アメリカ:「アメリカは多文化社会なので、それが理由かもしれません。だからこそ、政治に多様な背景を持つ人が入りやすいんです。それぞれの立場に合った政策が打てるようになります」

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