6月12日の東京都内はどんよりとした曇り空が広がったものの蒸し暑い一日となり、各地で夏日を記録しました。街では半袖姿で水分補給をする人やアイスを食べる人の姿も見られました。
熱中症対策が求められる中、訪問看護サービスの現場でも対策が進められています。

東京・足立区にある訪問看護サービスを提供する会社では、この日も訪問看護師が利用者の自宅を訪れ、80代の利用者が「午前中暑かったから、麦茶を飲みました」と伝えると「良かったね。暑いって感じてくれるのもありがたいし、水分を取ってもらえたのがなお良かったです」と対応するなど、声をかけながら小まめな水分補給を促していました。
この会社では1人の看護師が自転車などで1日5カ所ほどの家を回るため、看護師自身の体調管理も重要な課題となっています。そのため、事業所内の冷蔵庫には自転車移動の際にかぶるヘルメット用の冷却パッドや凍らせたタオルなどが常備され、看護師が自由に使えるようにしています。
さらに6月からは新たな取り組みも始めています。企業における熱中症対策の義務化を受け、事業所の玄関に熱中症のチェックリストや連絡体制を示したものを掲示したほか、首からかけて使用する小型扇風機を全ての看護師に配布したということです。訪問看護師は「自分で準備していなくても安心して職場に来て、ここで準備して出勤できるのはとても助かります」と話していました。
訪問介護ステーション・ブロッサムの西村直之社長は「私たちは高齢者や障害者を訪問しているが、職員が体調を崩してしまったらどうにもならない。利用者も守る、スタッフも守る。会社としてやるべきことを継続してしっかりやっていきたい」と話しています。