イスラエルの強権に苦しみながらも「いつかともに暮らせる日が」と夢を見るパレスチナの人々…エルサレムの現状とは

2025.06.12(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、エルサレムの現状を取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、エルサレムの現状を取り上げました。

◆イスラエル占領の実態 「聖地」エルサレムで何が

本来、エルサレムはパレスチナの人々の約束された地域でしたが、イスラエル人の入植が進み、住んでいた場所が突如取り壊されたり、移動が制限されたりしていました。

加えて2017年、当時のアメリカ・トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都にすると明言。在米大使館をテルアビブからエルサレムに移しましたが、キャスターの堀潤曰く、その行為は今も尾を引いています。

そうしたなか、エルサレムでは何が起きているのか。昨年6月に行った現地取材を振り返りました。

まずはイスラエル人の入植が広がる東エルサレムに住む女性は「シオニストがモスク内で祈りをささげたり、モスクの破壊や占拠を求める活動が増えている。1967年から現在までの状況をみると、私たちはほぼすべての支配権を失った。そして、私たちはモスク内で祈ることを許されなくなっている」と嘆きます。

また、別の方はハマスがイスラエルに攻撃を開始した2023年10月7日より前から攻撃が始まっていたと言います。そして、「10月7日の前、10月5日はユダヤ教の『スコット』という祝日だった。そのとき、各地の入植地から過激派の人々がやってきて、彼らは女性たちを攻撃し始めた。この問題は10月7日からではなく、10月2日から始まっていた。私は言った『これは大きな戦争につながるだろう』と。その2日後に戦争が始まった。今日1日を生き延びることができるのか、殺されるのかわからない。なぜなら入植者が私を撃っても罰せられることがないから。もしパレスチナ人がイスラエル政府を批判すればすぐに投獄される。一方でイスラエルの人々はSNSで『パレスチナ人を殺せ』と叫んでいる。世界に人権はあるのでしょうか?」と訴えます。

さらには、「とにかくこの状況が終わり、いつかともに暮らせる日が来ることを願っている」と語り、日本に向け「私は日本の人々に非暴力的に平和的に抗議してほしいと願っています」と切望。

東エルサレムに住み続けるパレスチナ人は「7年前に商売をしているとき(イスラエル警察に)撃たれた」と話す一方で「ここは私の場所だから誰にも私のモスクを奪うことはできない。私は約1年半、記憶がなかった。家族のことも誰のことも覚えてなかった。私は誰も恐れていない。私たちはここにいる、ここにとどまる。私たちはこの場所のために闘う、誰にも追い出させない」と力強く語っていました。

堀によると、2023年10月7日の数日前、エルサレム旧市街にある「アル=アクサー・モスク」というイスラム教徒にとって大事なモスクにユダヤ教徒が大挙して訪れ、突如宗教行為を行ったそう。しかも、それを聞いて集まってきたイスラム教徒をイスラエルの治安当局は暴力でねじ伏せたとか。

「ハマスの(最初の軍事)作戦は『アル=アクサーの洪水』と名付けられていて、実を言うとこうした宗教施設へのイスラエル側からの弾圧に対しての抗議という意味が含められていた」と堀が語ると、それを聞いた落語家の林家三平さんは「そういう経緯、何が起きたかを知らないといけないと改めて思った」と率直な思いを吐露。

また、気象予報士でフリーキャスターの根本美緒さんは「エルサレムの方が日本人も非暴力的に、平和を抗議してほしいと言っているが、その通りだと思う。そして、あんなにつらい思いをしているにも関わらず、この先は(イスラエルの人々と)ともに平和に暮らしたいとおっしゃっていて本当にいたたまれない」と心を痛めます。

最後に堀は「旧エルサレム市街地ではユダヤ教徒もイスラエル教徒も市民は共存している。(問題は)政治。今のネタニヤフ政権は極右との連立のなかでさまざまな強権が振るわれている。そこにも目を向けていただきたい」と強く訴えていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

RELATED ARTICLE関連記事