コメ高騰が追い打ち…弁当店の倒産、過去最多ペース 価格据え置く人気弁当店は工夫で奮闘

2025.06.11(水)

10:00

コメ価格の高止まりが続く中、弁当店の倒産が過去最多ペースとなっています。

コメ価格の高止まりが続く中、弁当店の倒産が過去最多ペースとなっています。

今年1月から5月までに全国で1000万円以上の負債を抱えて倒産した弁当店の数は22件で、このペースが続いた場合、今年は過去最多の倒産数を更新する可能性があることが帝国データバンクの調査で分かりました。昨今のコメ価格高騰のほか、食材や包装資材などの値上がりが経営を圧迫しているとみられます。

ただ、多くの弁当店では食材などの価格の上昇分を販売価格に十分転嫁できる状況にはなく、採算面での課題が大きくなっています。

<価格据え置く弁当店「利益半分に 値上げはリスク」>

弁当店の倒産が過去最多のペースとなる中、東京・板橋区にある弁当店では2年間、価格を据え置いているといいます。

ボリュームが売りの弁当店「まごころ大高」では、通常サイズの弁当でもご飯が300グラムあり、一般的な弁当の倍近い量となっています。店の名物弁当はボリュームがあり、ずっしりとした重さを測ってみると1キロ超えていました。常連客は「量が多くて安くて、学生にとってはありがたいのでよく利用している」「値段とボリュームと味。コスパがやっぱり良い。サービス旺盛なので大事なお店」などと話していました。

コメ価格が去年の倍となっている状況でも“赤字にはなっていない”として価格を据え置いていますが、利益は半分になってしまったといいます。弁当店の大高博信代表は「(コメ価格の)2倍以上の値上がりは、過去に例がないぐらい厳しい。1日1万2000円の利益があったのが6000円に減った」と話します。大高さんは「値上げは常に検討している、毎日。いま出している弁当の質はキープしながら、値段をどこまで頑張れるかというところ」と話していました。

店では安く仕入れた食材でおかずのメニューを考えたり宣伝費や人件費を削減したりするなどして、コメの価格高騰分を何とか補っているということです。大高さんは「値上げするにもリスクがあって、客の反応や売り上げ低下につながる。他にできることをやり尽くす」と話しています。

RELATED ARTICLE関連記事