東京都の小池知事は水道の基本料金無償化に対する他の自治体などからの懸念に対し、反論しました。小池知事は5月30日の会見で「『東京がやるのはおかしい』という声は、地方自治としてやっているものなので、むしろ地方自治を否定されるような発言はいかがなものかと思う」と不快感をあらわにしました。

東京都はこの夏に限って、一般家庭の水道基本料金を4カ月間無償化すると発表しています。これに対し、埼玉県の大野知事は5月20日の記者会見で、水道料金の無償化に対して「都は財力があるからできる」と苦言を呈しました。この会見の中で大野知事は「今回の措置は東京都の財力があって初めて実施できる政策。根底にあるものは財源の偏在だ」と主張しました。また、千葉県によりますと熊谷知事は21日に「偏在是正の一つの地域間格差の事例が増えた」と述べ「各都道府県が同じような政策をするのは相当困難だ」と懸念を示したということです。
小池知事は30日の定例会見で、記者から近隣県との格差拡大の懸念や「選挙対策では?」という指摘に関する質問に対し「自治体としての優先順位を考えた対応だ」とその意義を強調しました。小池知事は「一般会計の歳入・歳出からひねり出して財源に充てるということは、地方自治として何を優先するか、プライオリティー(優先順位)を考えてのこと。創意工夫を凝らしながら対応している」と反論しました。
また、小池知事は国の偏在是正措置により「毎年1兆4000億円を超える財源を国に召し上げられている」と話し、東京都に入るべき本来の税収が地方に配分されていると主張しています。