TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。「New global」のコーナーでは、今後注目の“北極圏”について取り上げました。

◆米中露が狙う北極圏の重要性
先日、アメリカのトランプ大統領は「国家安全保障のためにグリーンランドが必要」と発言。その背景にはデンマーク自治領の当地には中国の開発が入っており、もしも独立となった際に中国に親和的な政権が誕生してしまうのではないかという懸念があります。
また、グリーンランドを含む北極圏は未開発の鉱物資源があり、同地に“氷上のシルクロード”を推進している中国をはじめ、アジアと欧州の航路の整備を掲げ同地で軍事力を展開しているロシアのほか各国が関心を示しています。
そうしたなか、日本の北極圏に対するスタンスも、ここ数年で大きく変化しています。
まずは北極の持続可能な開発、環境保護など共通の課題について協力などを促進することを目的とし、北極圏に関連する国々が参画している「北極評議会(AC)」に日本は2013年以降オブザーバーとして参加。外務省に北極担当大使を設置し、積極的にコミットする姿勢を打ち出しています。
さらには日本が北極政策を発表し10年という節目を迎えた今年2025年、新たなプロジェクトも立ち上がっています。キャスターの堀潤は「この北極圏で起きていることは日本にとっても安全保障上、経済活動においてもどういう価値を有するアライアンスを作っていくのかというのが、非常に注目の的になっている」とこの問題の重要性を指摘します。
ジャーナリストの春川正明さんが、北極圏を巡る動きのなかで特に気にしていたのは、中国の動向。「氷上のシルクロードは、要は一帯一路。アジアでやってきたことを見ると、やはりお金を入れて自分たちの影響下にしようという思惑がすごくある」と危惧します。また、「その一方で、トランプさんのやり方がいいかというと、ウクライナを見ていると本当は鉱物資源が欲しい。しかし、いきなり鉱物資源が欲しいとは言えないので、『グリーンランドを買うぞ』と(脅迫)し、妥協して鉱物資源を手に入れる思惑があるように見えてしまう」とも。
経済アナリストの馬渕磨理子さんは「地球温暖化で氷が溶けたので北極圏の開拓が進んでいる。地政学における考え方を変えていかなければならないくらい変革が起きている印象」と近年の大きな変化を語り、「アメリカの動きを見ると、ウクライナの件も含め、資源をどこが確保するのかが大きな争いごとになってきていて、そのなかにグリーンランドも今入ってきている。日本もそこにちゃんと関心を持たなければいけない」と警鐘を鳴らします。
最後に堀は「日本はこの地域の方々とともに発展するスタンスを維持し、しっかりと開発に対しての技術を提供したり、米中露の間でいろいろな地域の方々の思いが左右されるところを調整できるような対話の場作りをやるべき」と願望を述べ、「遠い北極圏の話と思いきや日本にも大きく関わってくるこの問題、今年注目してください」と訴えていました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx