自民党の派閥裏金事件を受けた旧安倍派幹部・下村博文元文科相の国会への参考人招致は、自民党が招致に反対し、結論は先送りとなりました。

これまで野党は実態解明のため下村氏を参考人招致するよう求めていましたが、5月15日に開かれた与野党の会合で与党の筆頭理事を務める自民党の井上信治議員は「下村氏が既に記者会見などで説明している」として反対しました。一方、下村氏は招致に応じる考えを示していて、14日にはSNSに「ぜひ出席し、政治不信を招いた1人として国民の皆さまにおわびと、私の認識している事実を正直に、誠実に申し述べたい」と投稿しています。
下村氏の地元からは「国会の場で説明してほしい」という声が相次ぎました。街の人からは「皆さんが分かるよう説明すれば誤解も解けるだろうし、もしそれができなければ怪しいということになる」「有権者としては、言えることはきちんと言ってほしい。政治家なので、どうやって信頼を取り戻すかというのは自分が一番分かっていることだと思う」といった声も聞かれました。その一方で“正直には話せないだろう”という声も聞かれました。街の人の中には「正直に話してくださいと言っても結局犯人捜しで、お互い足の引っ張り合いをしてしまう。個人というよりは党がどう答えるか、どういう方針を出すかが大事だと思う」と話す人もいました。
派閥会計責任者との証言の食い違いが指摘される中、実態解明につながるかどうかが焦点で、与野党は5月20日にも参考人招致について再び協議する見通しです。