TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜17:59~)。番組では、政府が強化する“就職氷河期への支援”について取り上げました。

◆政府が「就職氷河期世代」の支援強化へ
就職氷河期世代への新たな支援策を検討するための関係閣僚級の初会合が行われ、石破首相は支援の強化を指示しています。
“就職氷河期世代”とは、1990年代半ば〜2000年代半ば頃に就職活動を行った世代で、石破首相は“高齢期を見据えた支援”、賃金上昇のための学び直しの後押しといった“就労・処遇改善の支援”、“社会参加への支援”の3本柱に沿った政策を充実させ、強化するよう指示しました。
なお、政府によると、氷河期世代で不本意ながら非正規雇用で働いていたり、無職が続いていた人は約80万人にのぼるということです。
当該世代への対策について、キャスターの堀潤は「10年周期ぐらいで国は対策の話をするが、抜本的な対策が講じられていない」と率直な感想を述べます。
社会起業家の白井智子さんは、「それこそ自助努力(でなんとか)できるだろうと言われていたが、自分では無理という人もいる。そこにどう光を当てていくか問われていると思う」と課題を挙げます。
ここで堀から、ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんに「ドイツでも同じような現象があるんでしょうか?」との質問が。これにマライさんは「日本(独特の)現象なのかなという気がする」と返答。
さらには「(就職氷河期世代で)救えなかった人たちは、あとはもう老後をどうするのかだけを考えて、充実した生活、充実した仕事は諦めている感が出ていて悲しい」と話す傍ら「不満がいろいろなところででてきているが、それが対策で解消されればいいが、果たして(それができるのか)すごく気になる」と案じます。
◆「就職氷河期世代」課題解決の糸口は?
では、どんな対策が必要なのか。国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは“労働組合”を挙げ、「働く側の人たちが自覚的にお互いにコミュニケーションをとって動きを起こしていくということ」と提案します。
そう語る一方で「日本の場合は自助という文化があり、社会に文句を言わず自分でなんとかする根性論みたいなものが強い。ところが今、就職氷河期ということで高齢化にフォーカスされやすいが、今後若い世代に押し寄せてくるのは別の氷河期で、それは“ギグワーク”の氷河期」とまた別の問題を示唆。
モーリーさんは、将来的に人間がロボットに使われ、過酷な労働環境のもと生活も困難になることを懸念しつつ、「ギグワークを引っ張っているフロントランナーはGAFAのようなビックテックで、巨大なビリオネアたちが好き放題に全世界を改造している。そのしわ寄せがくるのが若者で、就職氷河期をちゃんとすることは若者をちゃんとすることと一体化している」と指摘します。
この意見に、堀は大きく頷き「日本のデジタル政策に関してデジタル庁や民間のデベロッパーに取材した際のキーワードが“ビッグテック対応”だった。(日本は)あまりにも無策でこれまで(ビックテックを)受け入れてきたから、これからやるべきはビックテック対策を念頭においたデータを国内保護できるような共通化ということだった」と述べた上で、今後さらに掘り下げた内容で取り上げることを示唆していました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 17:59~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx