卒業アルバムを製作する会社がサイバー攻撃を受けてアルバムの個人データが流出した恐れがある問題で、東京23区内では半数を超える12の自治体の学校のデータが含まれている可能性があることが分かりました。

この問題では、仙台市にある印刷会社の工場が2024年7月にサイバー攻撃を受け、受注していた全国の学校の卒業アルバムの氏名や写真のデータ最大およそ17万3000件が流出した恐れがあることが分かっています。また、さいたま市にある印刷会社でも同様に7万件以上が漏えいした疑いが持たれています。
東京23区の自治体にTOKYO MXが取材したところ、4月24日までに中央区・墨田区・江東区・杉並区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・練馬区・足立区・葛飾区・江戸川区の合わせて12自治体の学校のデータが含まれている可能性があることが判明しました。
このうち、豊島区では公立小学校10校で合わせて700人分が流出した疑いがあり、豊島区の高際みゆき区長は23日の定例会見で「情報管理やセキュリティーを確認して発注してくださいと(区民に)注意喚起をする必要があるが、まずは心配になっている対象者に早く案内を出そうと思う」と話し、区民への注意を促していく考えを示しました。
サイバーセキュリティーに詳しい専門家は、企業からの情報共有の遅さが問題の拡大につながったと指摘しています。神戸大学の森井昌克名誉教授は「サイバー攻撃に対する認識力が低い。サイバー攻撃自体は去年受けているので、情報が漏えいした可能性があるならばいち早く全ての学校に連絡すべきだった。そうすればその学校でも対策が取れたはずだ」と指摘しました。