東京都は銀座周辺にある東京高速道路=通称「KK線」の廃止に伴い、今後、歩行者中心の「歩いて楽しめる空間」へ再生させる計画を進めています。歩行空間として楽しめるようになるKK線では、車道だった場所から銀座の街を見渡すこともできます。

4月18日にはKK線のリニューアルプロジェクトの本格始動を記念したイベントが開かれました。かつて高速道路の車道だった場所では往年の名車と歩行者によるパレードが行われ、自動車のための場所から歩行者のための場所に生まれ変わることをアピールしました。
「経済成長に首都の道路整備」が必要という理由から銀座周辺の外堀や汐留川の一部などを埋め立て、1966年に銀座周辺を走るおよそ2キロのKK線が全面開通しました。首都高速道路とつながる道路としておよそ60年にわたって活用されていましたが、都心環状ルートの再編に伴い4月5日に廃止され、半世紀を超える歴史に幕を下ろしました。
東京都はKK線を2040年代までに全区間整備し、緑豊かな歩行空間にするとともににぎわい創出の広場などを作り、順次開放していくとしています。このリニューアルの参考となったのは、アメリカ・ニューヨークにある貨物鉄道の高架跡を利用して空中公園として再整備された「ハイライン」です。2022年には東京都の小池知事が現地を訪れ、新たな姿に生まれ変わって多くの観光客でにぎわうハイラインを視察しています。
18日のイベントに参加した小池知事は「人がわくわくする場所に生まれ変わる。まさに東京のウオーカブルな街づくりの象徴となる。東京に来たらまずKK線に行ってみようと国内外の人々が考える、世界から注目される観光の拠点としてみんなで盛り上げよう」と語り、新たな街づくりの象徴として国内外から多くの人が訪れる観光拠点にしていきたいと意気込みました。
KK線では今年=2025年11月に聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」のマラソンを行う予定で、東京都は今後、イベントを通じて新たな空間に親しみを持ってもらいたいとしています。