都内有名ホテル15社がカルテルの疑い、公取委が警告へ 客室稼働率や平均単価など共有か

2025.04.18(金)

10:10

東京都内の有名ホテル15社に、価格カルテルを結んでいた疑いがあることが明らかになりました。現在、調査が行われているということです。

東京都内の有名ホテル15社に、価格カルテルを結んでいた疑いがあることが明らかになりました。現在、調査が行われているということです。

帝国ホテルやホテルニューオータニといった都内の有名ホテルを運営する15社が、客室平均単価や稼働率などの情報を定期的に交換していたことが分かりました。公正取引委員会は不正に価格を引き上げるカルテルにつながる恐れがあるとして、独占禁止法違反の疑いで、近く、再発防止を求める警告を出す方針です。

関係者によりますと、外国人観光客の増加によってホテルの宿泊料金が高騰する中、公正取引委員会は情報交換が値上げや価格の維持につながる可能性が高く、早期の措置が必要と判断したとみられます。

15社のうちの1つであるホテル椿山荘東京はTOKYO MXの取材に対し「現在、公正取引委員会の調査を受けている。今後については結果が出次第、社内で検討する」と話しています。またホテルメトロポリタンを運営する日本ホテル株式会社は「宿泊関連について過去に情報交換していたのは事実。現在、調査を受けていて、真摯(しんし)に対応していきます」と話しています。

関係者によりますと、会合は15社の営業担当者らがほぼ毎月集まり、各ホテルの客室稼働率や将来の単価の設定方針などを共有していましたが、既に中止されているということです。

<客室単価は4年で約2倍に 訪日客は過去最多>

外国人観光客の増加などでホテルの宿泊料金が高騰する中、公正取引委員会はホテル間での情報交換が値上げや価格の維持につながる可能性が高いと判断したとみられます。

現在、訪日外国人の数は毎月増加しています。2025年3月に日本を訪れた外国人客は推計で349万7600人で、前年同月比で13.5%増え、3月としては過去最多となりました。また、多くの人が宿泊先として利用するビジネスホテルの客室単価も上がっていて、2020年には1室当たり7237円だったのが2024年には1万3986円で(共に「10~12月期の客室単価」)、およそ2倍の価格となっています。

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