堀潤が現地取材で聞く “いのち輝く未来”万博で目指すゴールの形は?

2025.04.15(火)

10:50

大阪・関西万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』ですが、世界では今も紛争などによって分断の危機にさらされている地域があるのが現状です。そうした中、万博に参加した意義と目指すべきゴールは何か、TOKYO MX『堀潤 Live Junction』キャスターの堀潤が出展した人々に話を聞きました。

大阪・関西万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』ですが、世界では今も紛争などによって分断の危機にさらされている地域があるのが現状です。そうした中、万博に参加した意義と目指すべきゴールは何か、TOKYO MX『堀潤 Live Junction』キャスターの堀潤が出展した人々に話を聞きました。

サウジアラビアのビンザグル駐日大使は、堀潤の「なぜ日本の万博に参加しようと思ったのか」という問いに対し「日本と特別な関係性を築いているから」と答えました。ビンザグル駐日大使は「日本とサウジアラビアが協力関係を結んでから今年で70年になります。非常に印象的なパビリオンで存在感を確立し、さらなるつながりをつくりたかったのです。また、2030年にサウジアラビアのリヤドで開かれる万博に向けて、日本からトーチを引き継ぎます」と今回の出展の意義を強調しました。

サウジアラビアは石油生産量と輸出量で世界最大級を誇るエネルギー大国です。ビンザグル駐日大使はまた、経済の多様化によって石油依存からの脱却と持続可能な社会の発展を目指しているその姿を万博を通して伝えたいといいます。「この万博における“ゴール”は何ですか」という堀潤の問いかけに対し、ビンザグル駐日大使は「サウジアラビアは大きく変化しました。わが国には美しい鉄道があり、海があり、山があり、変化し続ける街があります。スポーツや文化、アートで新たな世代が生まれていて、パビリオンではその一例を見ることができます。(万博開催期間の)6カ月間に700以上の催しがあり、わが国を垣間見ることがことができるでしょう。日本の全ての人がサウジアラビアを訪れ、共に参加してくれることを願っています」と語りました。

複数の国々がパビリオンを構える「コモンズD」では、スーダンも展示をしています。担当者は「伝統的な楽器も実際に手に取れるので、ぜひ音を奏でてみてください」と紹介しました。これに対し、堀潤が「なかなか今、民間の人が入れない状況だから貴重ですね」と応じると「大変貴重だと思います。スーダンの景色も映像でご覧いただけます」と説明しました。

続いて訪れたパレスチナのパビリオンでは、パレスチナの遺跡や建物、風景などを展示しています。担当者は「パレスチナという国がどんな場所なのか、まずは感じてほしい」といいます。エルサレムの教会や中東の定番スイーツ・クナーファの写真などが展示されているパビリオンでは“この先の平和と繁栄”を願い、パレスチナの暮らしを発信していきたいとしています。担当者は「エルサレムにいるような写真も撮れるので、楽しんでもらいたい」と話しています。

堀潤は「紛争などで悩んでいる国々もここに出展している。アクセスが非常に難しい場所もここで触れられるのは意義が大きい」と感想を話しました。

国際赤十字館では、世界の人道危機に立ち向かう人たちの姿をドームシアターなどで体験できます。岡山晃久館長は「国内外で紛争や災害が頻発していて、突然かけがえのない日常を奪われる厳しい現実がある。世界中の人たちに人道支援の大切さを改めて訴えたい。そして理解いただきたい」といいます。そして「一人でも多くの人がこの世界の人道危機というものを自分事として思い考え、何か小さいことでもいいので一歩踏み出してもらえればそれが“成功”だと考えている」と語りました。

他にも「大阪ヘルスケアパビリオン」では、iPS細胞から作成した心筋シートをはじめ、髪や肌などを測定して“25年後の自分の姿”を確認できる「カラダ測定ポッド」など「いのち」と「健康」の視点を用いた展示が並びます。

この施設の屋根部分をはじめ、万博会場内の30を超える施設を軽量かつ柔軟性に富んだ「膜」を用いて手がけた企業にも話を聞きました。手がけた太陽工業の八木祥和執行役員は「環境対策に『膜』はすごく適している。天井・屋根部分が『膜』であることによって、支える部分の材料も軽くすることができる」といいます。堀潤が「では、この万博における“ゴール”とは?」と問いかけると、八木さんは「まさに、膜で作った空間のように柔らかく温かい未来社会をつくりたい」と答えました。八木さんは「どうしても今までは部分効率を追求してきた。効率を追求すると当然、密閉性が高い方が冷暖房にはいいが、結果的に部分の効率が分断を生んだり、人間の利己主義で自然環境が破壊されたりといったことにつながっている。膜で作るような空間が広がっていって、世界中がそうなればいい」と語りました。

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