TOKYO MX（地上波9ch）朝の情報生番組「おはリナ！」（毎週月～金曜7:00～）。「TOKYO LENS」のコーナーでは、TOKYO MXの曹蒙記者が外国人記者の視点から、東京・江戸川区で作られる「小松菜」の魅力を取材しました。
◆江戸川区が発祥の「小松菜」その魅力とは？
東京・江戸川区が発祥とされる野菜「小松菜」。小松菜は栄養価が高く、さらに値段も安定している優秀な野菜と言われています。中でも江戸川区で栽培されたものは甘みが強く、生でも食べられるということで、その魅力を取材しました。
江戸川区内にある「門倉農園」で育てられた小松菜の特徴は、その大きさです。
一般的なスーパーで売られるものが20センチほどであるのに対し、門倉農園で収穫されるものはその倍の約40センチ。一般的なものより大きいため、一回で大量に消費する学校給食などで重宝されているといいます。
農園の6代目、門倉周史さんはその大きさについて「細い小松菜が何本もあると、異物の混入のリスクも上がり、中に泥や虫が入りやすい。大きい小松菜によって、そういう異物の混入のリスクも下げていく。また調理がしやすい」と利点を語ります。
火を通して食べることの多い小松菜ですが、江戸川区のものは生でもおいしく食べられるということです。試してみると、みずみずしくて甘みもあって、全然癖のない味わいです。
この食感や味わいの理由は、「水分量」にあります。どれくらい水分が含まれているのか見せてもらうと、茎をちょっと押すだけで水がジュワっと出てきました。
大切に育てられた小松菜。門倉さんは土地が限られた東京だからこそ、収穫量にこだわっています。「重さベースの契約をとっている出荷先もあるので、大きい方が有利です。同じ面積での収量ベースが上がる。だから同じ面積でも、どうやって出荷量を増やしていけるかっていうところは、この小さい面積でやっている僕らにとっては課題」と話します。
◆なぜ江戸川区で小松菜が多く作られているのか？
東京都は、国内の小松菜出荷量が第4位。中でも作付面積、収穫量ともに江戸川区が都内トップです。
なぜ江戸川区で小松菜が多く作られているのでしょうか。そもそも小松菜は江戸時代、徳川8代将軍吉宗が江戸川区小松川付近を訪れた際に大変気に入り名付けたと言われていて、今でも多くの農家が区内で栽培を行っています。
また、ビタミンや鉄分、そしてカルシウムが豊富に含まれている小松菜。農作物の流通システムを手がける企業によると、値段が安定しているのもその特徴の一つといいます。「生育期間が短いので、ほぼ年間栽培が可能な品種」というのがその理由。
◆江戸川区内の多くの飲食店で使われる小松菜
栄養価が高く、値段も安定している小松菜は、江戸川区内の多くの飲食店で使われています。中には海外から来た料理人が出店する店でも。インド出身の店主が営むキッチンカーで提供されているのが「小松菜シェイク」です。
メニューに小松菜を取り入れた理由を聞いてみると、店主は「甘い感じが小松菜にあるので、ジュースみたいな感じでやりたいなと思って。小松菜と、うちのインド料理のスパイス使ったら結構合いますね」と話し、今後は小松菜メニューをさらに改良していきたいと意気込んでいました。
江戸川区に深く根付く小松菜。生産者の門倉さんは、交通の便の良い江戸川区だからこそ、この江戸から続く野菜を日本に来た外国人にも発信していきたいと話します。「日本の窓口が成田や羽田、その近くにある江戸川区で、小松菜を外国の方が来た時に口に入れられる機会をどんどん増やしていけたらいいなと思います」と展望を語っていました。
江戸川区は区としても小松菜をPRしています。小松菜の魅力を伝えるガイドブック、その名も「小松菜力」。
こちらの冊子には、江戸川区産の小松菜を使用した店舗や関連商品、小松菜レシピや小松菜にまつわるトリビアなども掲載されています。区としても小松菜愛が伝わりますよね。江戸川区のホームページのほか、区民館などでも配布をしているということです。
＜番組概要＞
番組名：おはリナ！
放送日時：毎週月～金曜 7:00～8:00 ＜TOKYO MX1＞
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター：山本里菜、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/oharina/
番組X（旧Twitter）：@oha_rina
番組Instagram：@oharina_mx
