激しいせきなどの症状が3カ月程度続くこともある「百日ぜき」の感染が広がっています。

厚生労働省によりますと百日ぜきは子どもに多く見られ、特に乳児は重症化すると呼吸困難などで死亡する恐れがあるということです。国立健康危機管理研究機構の集計では3月23日までに全国で報告された患者数は4100人で、すでに去年=2024年の1年間の累計4054人を上回りました。
東京都内でも今年に入ってから3月30日までに330人が報告されいて、去年を上回るペースとなっています。
東京・荒川区にある武田内科小児科クリニックでは、1カ月ほど前から百日ぜきの患者が増えてきたということです。なぜ今年は感染が広がっているのでしょうか。これについてクリニックの武田千賀子副院長は「コロナがある程度落ち着いてきて、マスクをしない子どもたちも増えている。昔より感染対策が少し緩くなってきているかもしれない」として、感染対策の緩みが原因と分析しています。
また、このクリニックでは現在ピークを過ぎたものの、今後、新学期を迎え、子どもたちの感染がさらに増える可能性があるとして警鐘を鳴らします。武田副院長は「また学校が始まるので、感染している子どもたちがマスクをしないで学校に行っていると、そこから感染する可能性はある」と指摘しています。