千代田区で“桜の後に一杯” お酒で地域活性化「日本の酒の魅力再発見」

2025.04.02(水)

10:20

東京では桜が満開の季節を迎えています。千鳥ケ淵など都内の桜の名所を抱える千代田区では、花見の後などに飲食を楽しんでもらおうと、区内の店で使えるお得なクーポン券が販売されています。

東京では桜が満開の季節を迎えています。千鳥ケ淵など都内の桜の名所を抱える千代田区では、花見の後などに飲食を楽しんでもらおうと、区内の店で使えるお得なクーポン券が販売されています。

東京の桜の満開が発表された3月30日、夜桜のライトアップなどが楽しめる「千代田のさくらまつり」会場で販売されていたのが「カンパイ千代田チケット(Kanpai CHIYODA Ticket)」です。このチケットは“居酒屋発祥の地”ともいわれる神田エリアを中心とした千代田区内の飲食店16店舗で使用できるもので、5000円で500円券が11枚付いています。千代田区観光協会の山崎真理事務局次長は「桜を見に来た人たちがそのまま帰路についてしまうので、千代田区内を周遊してもらえる施策があるといいなと思っていた」と話します。

桜を楽しんだ後にお得にお酒を楽しめるこのチケットの企画・販売をしたのは、400年以上の歴史を持ち、東京最古という造り酒屋の流れをくむ「神田豊島屋」です。

5代目の木村倫太郎社長は、このチケットをきっかけに日本のお酒の魅力を再発見してほしいと話します。木村さんは「コロナが明けてからお酒の需要が伸びてくれるかなと期待があったが生活様式が変わったのか、なかなか伸びてこない現状がある。その中で、2024年12月に日本の酒の作り方がユネスコ無形文化遺産に登録された。これをチャンスと捉え、千代田区観光協会と連携して今回チケットを企画した」といいます。

チケットの対象店舗ではそれぞれ特別メニューが用意されていて、内神田の居酒屋「ここのみ」では、日本酒1合と刺し身の盛り合わせセットなどがチケット3枚分=1500円で楽しめます。店の平岡一成代表は「店の宣伝にもなるし、神田全体も盛り上がっていければいい」と話します。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」には日本酒以外にも焼酎・泡盛・みりんも含まれていることから、みりんを使ったカクテルを提供する神田錦町のバー「クローバークラブ」もチケットの対象店舗となっています。みりんとウイスキーを使ったというカクテルは、ウイスキーの風味が口の中にしっかり広がりつつ、みりんの華やかな甘みもあって、飲みやすく仕上がっています。店のオーナーバーテンダーの上田けいさんは「バーの楽しさは一歩目を踏み出さないと分からない。この機会にぜひいろいろなバーに行ってもらえたらうれしい」と話しています。

チケットは千代田区観光協会などで販売されていて、5月末まで使用できます。神田豊島屋の木村さんは「ぜひ千鳥ケ淵周辺だけでなく、千代田区の特徴ある飲食店を巡ってほしい」と、利用を期待しています。

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