14人死亡・6000人超が重軽傷「地下鉄サリン事件」から30年… 遺族ら「風化させないで」

2025.03.23(日)

10:00

日本中を震撼させた「地下鉄サリン事件」から30年がたちました。多くの被害者が出た東京・千代田区の東京メトロ(当時・営団地下鉄)霞ケ関駅では発生時刻に近い3月20日午前8時すぎ、駅員らが黙とうをささげ、駅員だった夫を亡くした高橋シズヱさん(78)らが献花をしました。高橋さんは「事件から30年。ここに来ると当日のことを鮮明に思い出して悲しみが込み上げてくる。決して風化させず、若い人たちをカルトから守るということを続けていきたい」と語りました。

日本中を震撼させた「地下鉄サリン事件」から30年がたちました。多くの被害者が出た東京・千代田区の東京メトロ(当時・営団地下鉄)霞ケ関駅では発生時刻に近い3月20日午前8時すぎ、駅員らが黙とうをささげ、駅員だった夫を亡くした高橋シズヱさん(78)らが献花をしました。高橋さんは「事件から30年。ここに来ると当日のことを鮮明に思い出して悲しみが込み上げてくる。決して風化させず、若い人たちをカルトから守るということを続けていきたい」と語りました。

1995年3月20日に起きた地下鉄サリン事件は、オウム真理教の教祖・麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の指示の下、教団の幹部らが地下鉄日比谷線・千代田線・丸ノ内線の合わせて5つの車両で猛毒のサリンを一斉に散布し、14人が死亡、6000人以上が重軽症を負いました。そしてオウム真理教による一連の事件では、2018年に教団幹部ら13人の死刑が執行されました。

事件から30年の月日がたちましたが、被害者と被害者の代理人である弁護団は現在もオウム真理教の後継団体と闘っています。高橋シズヱさんら遺族は3月15日に集会を開き、家族を奪われた悲しみとともに、オウムと闘い続けた30年を振り返り、事件を知らない若い世代の人たちに向けて語りました。

高橋さんは「どんなことがきっかけでオウム真理教に入ってしまうのか。それはあなたにも起こり得ることです。オウム真理教に入信したり出家した人たちは、人類救済や、修行して超能力を身に付けたいなど、善意で麻原(松本智津夫元死刑囚)を信じてしまいました。オウム真理教に関わった人はみんな不幸になりました。信者の家族も事件の被害者も、30年たっても涙が乾くことはないのです」と訴えました。

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