現役大学生が制作した「闇バイトを疑似体験できるゲーム」を使用した授業が、初めて都立高校で行われました。体育館にはおよそ500人の生徒が集まり、スマートフォンなどを使いながら闇バイトの危険性を学びました。

東京都が警視庁と連携して都立足立新田高校で行われたのは、生徒たちがゲームを通じて「闇バイト」被害の事例を体験し、自身の身の守り方を考える授業です。生徒たちは失踪した主人公の行方を探す過程で闇バイトの勧誘役とのやりとりなどを調べることで、勧誘の手口をはじめとした闇バイトの実態を学びました。ゲームを体験した生徒は「身近に闇バイトという犯罪が紛れているのがとても怖いと感じた」「バイト求人サイトをよく見るが、その中にも闇バイトが紛れているというのは怖い。見抜けるようにしたい」などと感想を語りました。
東京都の担当者は「ゲーム開発者と生徒は年代が近いこともあって、高校生が非常に集中してゲームをしていたと感じている」とした上で「何が若者に対して闇バイトに巻き込まれないために効果的な広報啓発なのか、引き続き検討しながら進めていく」としています。
<大学新入生に「詐欺防止体験授業」 知人からの“甘い言葉”に注意を>
若者が闇バイトや詐欺など社会にあふれる“甘い言葉”にだまされないための授業は、大学でも行われています。
東京・文京区の東洋学園大学ではこの春に入学する新入生らおよそ120人が参加し、ゲームを通じて投資を学ぶ授業が行われました。ゲ―ムは大学の先輩に誘われた設定で、仮想通貨による投資を体験するというものです。
ゲームの中で「必ず利益が出る」などといった甘い言葉に乗せられて借金をする人が続出していく中、学生たちが利益を得ようと取り組んできた“このゲーム自体が詐欺”で「手元に残った仮想通貨には価値がない」と伝えられます。戸惑う学生たちに対し、主催者は「知人からの紹介だからといって安易に金銭を扱うと、詐欺などの被害に遭う可能性がある」ことを伝えていました。
今回実施されたゲームは暗号資産の運用をうたう投資詐欺に巻き込まれ自殺した22歳の大学生の実話に基づいて作られたもので、主催者は「自分は大丈夫だという感覚を持たないでほしい」と訴えています。