4月13日の「大阪・関西万博」開幕が1カ月後に迫ってきました。魅力の発信不足に加え、パビリオンの建設の遅れや会場整備費の高騰による“負のイメージ”も重なり、入場券の販売は今も伸び悩んでいます。東京都内で、万博に行ってみたいか聞いてみました。

東京・有楽町駅前で街の人に聞いてみると「機会があったらぜひ行ってみたい。昔、万博があった時に同級生が『万博に行った』と写真を持ってきてすごくうらやましかった」と話す70代の女性もいましたが、「あまり今のところ、そこまで興味はない。何があるのか分からない。キャラクター自体は結構見るが、万博がそこまで宣伝されているのかなという感じがある」(20代女性)、「遠いので、行きたくないというか行けない。チケットの割引があるなら」(20代女性)といった声が相次ぎました。
開幕を1カ月後に控えていますが課題は山積しています。海外パビリオンの建設は施工業者との契約が難航するなどして着工が遅れています。自前で建設する「タイプA」の47カ国のうち工事を終えたという証明を取ったのは2割弱の8カ国にとどまっていて、関係者は開幕に間に合わない可能性に気をもんでいます。
また、パビリオンの展示品の設置は3月13日を期限のめどにしていましたが、施設の使用許可を取得した国は1カ国もなく、開幕に向けて手続きが追い付かない可能性が出ています。一方で準備が順調で内覧会を開いてPRしたい国の中にも「隣接するパビリオンの工事に支障が出かねない」として内覧会を控えるよう言われたケースもあるということです。
万博の来場者は2820万人を見込んでいますが、前売り入場券の販売目標1400万枚に対し、3月5日の時点でおよそ806万枚しか売れていません。販売促進策として、2024年10月からは“紙のチケット”を全国のコンビニや旅行会社で購入できるようにしたほか、2025年2月からは大阪の観光施設「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」のチケットを購入すると万博入場券が1割引きで買えるようにしました。しかし入場券の販売はいまだ低調なままです。
大阪府の吉村知事は大阪・関西万博の成功について「予定通り開催して3兆円の経済効果を生むこと」と「世界の社会課題を解決する方向性を示すこと」としています。しかし前提となる入場者数が想定・目標通りになるかどうかは見通せず、達成は不透明な状況です。