TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。「New global」のコーナーでは、タイで施行された「結婚平等法」について取り上げました。

◆東南アジアで初! タイで同性婚が合法化
タイでは1月23日に東南アジアで初の同性婚を合法化する「結婚平等法」が施行。これは戸籍状の性別に関わらず18歳以上の2人に婚姻を認め、配偶者としての法律上の権利を保障するものです。
この法律の制定に尽力したタイ人民党のトゥンヤワット議員は、「私が2019年に政治家になってから多くの悲しい出来事に直面してきました。家族が関係を受け入れなかったことで自殺してしまった人もいたし、家族の事情で思うように生きられなかった人もいました。法制化されたあの日、私は言葉を失いました。それはとても満たされた気持ちでした」と施行までの道のりを振り返ります。
しかし、喜ぶ一方で「結婚平等法が可決されたから差別がなくなるわけではなく、差別は依然としてタイにおける大きな問題です。一晩で差別が解消されるわけではありません」とも。
タイでは現在もLGBTQ+に対し、一部否定的な意見があるとし、「私たちは次にやるべき多くの課題があります。それは人々にLGBTQ+が自然な存在であり、異常なものではないことを認識させることです」と今後を見据えます。
さらには、同性婚が合法化されていない日本に向けて「もし、あなたがLGBTQ+でなくても社会全体の問題です。彼らは友人であり、人間であり、私たちの身近にいる存在です。私たちが彼らに本当の意味で平等な権利を与えることは社会全体の力にかかっています」とメッセージを送りました。
◆一方、日本における同性婚の現状は?
なお、日本では同性婚が政治の大きなテーマとして議論され始め、多くの自治体でパートナーシップ制度が広がってきてはいるものの、法制化には至っていません。
キャスターの堀潤によると、タイの同性婚合法化は今後大きな経済効果をもたらすと言われているとか。なぜなら、世界中のLGBTQ+の方々がタイならば安心して過ごせると現地を訪れたり、旅行客やインバウンド、その他の関連産業の収入で3,100億円程度の経済効果があるとの試算があるそう。
これに対し、ドイツ公共放送プロデューサーのマライ・メントラインさんからも「友達がよくドイツから日本に来るが、友達のなかにはLGBTQ+の人もいて(友達から)『日本に来てもいいんだろうか』と質問される。『日本は同性婚が認められていないから大丈夫なのか』という声は聞く」との意見が。
タレントのふかわりょうさんは「タイでも差別はあるんですね」と嘆き、「日本でもこれから法がどうなっていくのか大事だが、やはり人それぞれ価値観をアップデートし、(LGBTQ+は)特別なものではない、普通の価値観に馴染んでほしい」と言います。
キャスターの豊崎由里絵は「私は日本でも同性婚が認められたらいいなと思う」と自身の考えを明らかにしつつ、「自分で誰を愛するか選べますけど、男性を愛するか、女性を愛するかって少なくとも私は決めてないんです。決めてない人が多いと思うんですよね。自分で選ぶのではなく気づいたら好きになっていたのであって、選んでいないのにな、というのはずっと気になっています」と日頃感じている違和感を吐露すると、堀も「そうですよね」と同意し「ぜひ成熟した議論をここ日本でも」と切望していました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
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