2東京駅八重洲口で進む新たな再開発プロジェクトの詳細が3月3日に発表されました。プロジェクトの名称は“さまざまな情報やモノ、人が八重洲へ(TO)・八重洲から(FROM)”という願いを込めて組み合わせた造語「TOFROM YAESU(トフロム八重洲)」とされました。

都市再生特別地区に指定された東京駅周辺では建築に関する規制が緩和され、大規模な再開発が進んでいます。その中で八重洲エリアに新たに誕生するTOFROM YAESUは、地上51階と地上10階の2棟からなります。オフィスに加え、高速バスのターミナルや商業施設、およそ800人を収容できる劇場などが入ります。
そして今回のプロジェクトで特に力を入れているのが、オフィスエリアで働く人の心身の健康や幸福に配慮した「ウェルビーイングな環境づくり」です。41階の休憩スペースに設置される「喫泉室」では、温泉成分の微小なミストが充満した部屋に入るだけで、リラックス効果や免疫増進、疲労回復などを得ることができるといいます。温泉ミストを浴びることで、服を着たまま気軽に温泉に入浴した時と同様の効果を期待しているということです。さらに、13階のウェルビーイングフロアでは免疫機能を助ける食事の提供や、急須で入れたお茶と同様のお茶を提供する機械も設置され、オフィスエリアで働く人は誰でも利用できます。
2026年に完成予定のTOFROM YAESUはすでにオフィスエリアのおよそ6割で入居が内定していて、企業からは「従業員に付加価値を提供できる」ことへの期待の声も寄せられているといいます。開発を手がける東京建物の担当者は「人材の採用や流出防止など、人材を巡る課題はどこの企業にもある。そこにわれわれとしてはメスを入れたい。そういう思いでウェルビーイングを軸において商品企画をしている」と話しています。