東京都と法政大学で進めていた共同事業が本格的な実施を前に中止になったことが分かりました。理由について法政大学は「研究グループによる資金の不正利用の疑いが高い」と説明しています。

東京都は大学から提案された事業を採用する取り組みを進めていて、今年度=2024年度は法政大学による子どもたちの起業家教育を目的にした事業を採用しました。
この総事業費は3年間でおよそ3億8000万円で、東京都の小池知事は2024年2月に行われた事業提案の感謝状贈呈式では「いずれも時代を的確に捉えたもので、東京の未来につなげる役割を果たしてくれるものだと思う。一人一人が輝く未来の東京を共につくっていきたい」と話し、法政大学などが提案する事業への期待感を示していました。
法政大学によりますと事業に当たって海外への視察などを進め、新年度=2025年度から施設をオープンする計画でしたが、調査で事業を率いる研究チームによる資金の不正利用の疑いが発覚したため、中止を決めたということです。
法政大学の担当者は「研究者が資金を不正利用した可能性が高い。東京都に対してこれ以上続けることはできないと中止する旨を伝えた」としています。
一方、不正利用の可能性を指摘された研究チームは「資金使用は適正だった」と説明していて、2024年8月以降のおよそ3カ月間、東京都の担当者と連絡がつかず中止に追い込まれたと話しています。
この事態に対し、東京都の担当者は「法政大学が調査しているため、都としての詳細を答えることはできない」とコメントしています。また、現時点で都の費用支出は発生していないということです。