卵の価格が年初から4割値上がり 「食卓1品足りぬ」の声&厚焼き玉子店は利益2割減

2025.02.18(火)

11:00

長い間“物価の優等生”ともいわれてきた卵の価格高騰が止まりません。JA全農たまごによりますと、千葉県で鳥インフルエンザの感染が相次いで確認された1月中旬以降、卵の卸売価格は右肩上がりになっていて、現在1キロ当たり315円で4割ほど価格が上昇しています。また、鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場では全ての鶏が殺処分となるため、品薄状態も続いています。

長い間“物価の優等生”ともいわれてきた卵の価格高騰が止まりません。JA全農たまごによりますと、千葉県で鳥インフルエンザの感染が相次いで確認された1月中旬以降、卵の卸売価格は右肩上がりになっていて、現在1キロ当たり315円で4割ほど価格が上昇しています。また、鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場では全ての鶏が殺処分となるため、品薄状態も続いています。

東京・練馬区に本店のあるスーパーマーケット・アキダイでは、卵の値段が1年で最も高いとされている12月の237円を上回る、1パック258円で販売されています。クリスマスケーキやおせち料理の準備など、卵の需要が増える12月の販売価格を2月に上回るのは「異例中の異例」だといいます。アキダイの秋葉弘道社長は「これだけ高値というのは今までにないことが起きようとしている。以前のエッグショックを超えるような勢いで進んでいるが、これを更新する可能性は非常に高いと思う」と話します。

2023年に猛威を振るった鳥インフルエンザでは、卵の卸売価格が1キロ当たり350円と、東京で過去最高値を付けたいわゆる「エッグショック」以来の厳しい状況が続いていて、店では卵の品薄も続いているということです。秋葉社長は、在庫の少なくなったブランドの卵を見ながら「この卵は注文してもなかなか入荷しない。うちでは全部で5種類ぐらいの卵を置いているが、1種類、2種類と、だんだん売り場が消えていくような状況。週末に特売をやっているが、特売もいつまで続けられるのか」と語ります。

高騰が続く卵に、買い物客からは「値上がりしているなとは感じている。少しずつだろうと思うが、やっぱり懐には痛い」(40代主婦)、「卵はどうしても食卓に欠かせない。買うしかない。今は冬で持ちもいいので、少しでも安いところでまとめ買いするような形」(60代パート)などといった声も聞かれました。また「卵焼きを作れなくなった。1品足りない時に卵焼きを作っていたが、この頃、それをやめている。だから食卓から1品減った」(70代無職)と話すなど、価格高騰を受けて卵の使用量を減らして対応している人もいました。

<厚焼き玉子店では利益2割減>

卵の価格高騰は、都内にある「厚焼き玉子」のお店でも影響を与えています。

月に約5万本の厚焼き玉子をスーパーなどに卸売りする、新宿区に店を構える「玉栄」では、卵の仕入れ価格が4割上昇し、利益率は2割減少しているといいます。玉栄の村山拓也代表は「価格は日々上がってきているので、コスト的な経営の部分では原価が上がっているのは影響している」といいます。

また、影響は仕入れる卵の数にも表れています。取引を行う6社のうち、2社からの仕入れ数が減少しているということです。村山代表は「取引先であすにでも鳥インフルエンザが起こってしまうという可能性は当然あるので、その時に仕入れられなくなったらどうしよう、それによって卸し先に(厚焼き玉子などの商品が)出荷できなくなったらどうしようということは日々思っている」と話しています。

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