埼玉の陥没さらに被害拡大…“下水道利用自粛”120万人 救助活動は依然難航

2025.01.31(金)

10:20

埼玉・八潮市で起きた道路の陥没事故は、事態は収束するどころか被害が拡大しています。穴が拡大する恐れがあるためか、陥没現場周辺の道路では広い範囲で立ち入りが制限されています。

埼玉・八潮市で起きた道路の陥没事故は、事態は収束するどころか被害が拡大しています。穴が拡大する恐れがあるためか、陥没現場周辺の道路では広い範囲で立ち入りが制限されています。

1月28日に起きた道路の陥没によるトラックの転落事故で運転手とみられる男性の救助活動は難航し、事故発生から3日目を迎えても依然として安否は分かっていません。また30日未明にはこれまでの陥没でできた2つの穴の間が崩れ落ちて1つの巨大な穴となり、大きさは直径20メートル以上に広がっているとみられます。

一体なぜ陥没が起きたのでしょうか。埼玉県によりますと、地中の下水道管を流れる下水に含まれる生ごみなどから硫化水素が発生し、さらに硫化水素が空気に触れて硫酸へと変化して水道管の一部が溶け出した結果、下水道管内部に周辺の土砂が流れ込み、空洞ができて陥没した可能性が高いということです。

下水道管が破損したことで現場には下水があふれ続けていて、埼玉県は流れ込む水の量を減らすため、周辺の市や町の住民およそ120万人を対象に下水道の利用自粛を要請する事態となっています。

現場近くの住宅では事故が起きてから1度も風呂の水を流していないということで、住民の女性は「1回だけ入浴したが、下水管に水は流していない。きのうは風呂も入らず、顔や体をタオルで拭いて寝た。頭も洗えないし。年も取っているし限界がある」と話しました。また、店舗の営業にも影響を与えています。陥没した場所のすぐ近くにある鮮魚と総菜を扱う店「まえだや」では洗い物などで使う水の量を減らすため、販売する総菜の品数を減らしているということです。店の人は「水を使う仕事なので、洗い物を減らすために販売している総菜の数を減らしている。いつどこでまた陥没するのかという不安もある」と話していました。

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