TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。キャスターの豊崎由里絵が育児の悩みを解決に導く「トヨサキ育児っと」のコーナーでは、“子育て中の睡眠不足”について取り上げました。

◆0歳児を育てるママが一番大変なことは?
今回のテーマは「子育て中の睡眠不足」。「夜泣きが続いて睡眠不足、疲れが全然とれない」ですとか、「睡眠不足でイライラしてしまって子供に優しくできなくなってしまう」など、育児中は睡眠不足に悩まされている方が大変多いです。
特に0歳児を育てているママを調査したところ、「精神的につらかったこと」で最も多かったのは「睡眠不足による疲労感」で83.8%。育児中は睡眠不足に悩まされている方が多いことがわかっています。
ちなみに、ママたちの平均的な睡眠時間は、4時間以下が約6割。豊崎は「これは(1日の睡眠時間を全て)足してということも多く、4時間まとめて寝られないことも多い」と案じつつ、「私も育児をするまでこんなに眠れないこということを知らなかった」と子どもを持つ親としての実感を語ります。
この問題はママだけでなく子育てをするパパにも当てはまることですが、「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは「この現実を見ていたら(若者の)子どもを産む自信がなくなっていくと思う」と懸念。さらには、子どもを産んだ友人・知人からは“眠れない”、“産後うつは大変”といった声をよく聞くと言います。
一方、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは、幼子を育てるママの大変さに共感を示す傍ら、「僕らの世代になると眠れなくなることもあるので睡眠外来などに通う男性も多いが、子育てママもそういった(睡眠外来など)アドバイスを受けられるところに行っていただきたい」と望みます。
前明石市長の泉房穂さんも市長時代、0歳の子どもを持つママから一番やりたいことは“睡眠”という声をよく聞いたそうで、「だから明石市では毎月(幼児がいる家庭の)自宅に(スタッフが)訪問して、眠れなかったらヘルパーを派遣して一晩眠ってもらうことにしていた。やはり寝たかったら寝てくださいという政策が大事だと思った」と振り返ります。
◆睡眠不足がさまざまな悪影響を及ぼす要因に
スリープコンサルタントの資格を持っているChild Health Laboratory代表の森田麻里子医師に睡眠不足が引き起こす影響について聞いてみると、まず考えられるのは“パフォーマンスの低下”。短時間睡眠を2週間以上続けると認知能力、反応速度などが低下し、ちょっとしたミスを起こしやすくなるそう。さらには“病気のリスク”。産後うつや生活習慣病につながる恐れがあるとか。
そして、少しでも睡眠不足を補うためには、20分程度の昼寝をすることで多少は疲れを取ることができるため、産後ケアサービスや一時預かりなど誰かに頼ることが大切だそうです。
キャスターの堀潤は「産後のお母さん方をケアするNPOなどもあるが、そういう枠組みが公的支援でより充実したらいいと思うが、そういう団体へのアクセスもまだ限られていると思う」と実感を述べます。
豊崎は「私は東京に引っ越してきて、公的支援の一時預かりを利用しようと思ったら、素晴らしいサイトはたくさんあるが、1ヵ月前に電話してくれないと予約は取れないと言われ、(1ヵ月前に電話をかけても)予約開始時間3分で1ヵ月分の予約が埋まってしまったと言われた」とまだまだサービスが足りていない現状を語り、「“眠い”という悩みは今なのに、1ヵ月後のことを事前にと言われても……」との指摘が。
この問題に対し、泉さんは「これはいわゆる親だけの問題ではなく、虐待リスクの問題もあって、実は亡くなる子どもの半数は0歳児。(親も)精神的に追い込まれるといろいろなことが起きかねないので、子どもを守るという意味でも、街全体でこのテーマは向き合う必要があると思う」と注意を促します。
◆眠れないパパ&ママに新サービス!
こうした眠れない親に対し、昨今新たなサービスが始まっています。武蔵小杉にオープンした一時預かり保育施設「YASMO」は、保育士が常駐し、子どもを預かってほしい時に利用することができますが、それだけではありません。なんと、施設内には育児で睡眠不足のパパやママのための睡眠ブースが併設されています。
そこには安眠グッズやマッサージアイテムも用意されており、自分だけのスペースでゆっくりと過ごすことができます。なお、対象は生後3ヵ月から未就学児で、料金は30分1,250円からとなっており、利用者からは「本当に利用してよかった。子どもも遊べるし、1時間でも全然違う。ありがたい」、「育児をしていて、睡眠が一番ダメージが大きく、体力的にもメンタル的にも大変だった。自分の時間も作ってからの方が子どもとより向き合いやすくなった」など感謝の声が寄せられていました。
豊崎はこうした素晴らしいサービスが増えてほしいと望む一方で、「自分の睡眠にお金を払うという概念が子どもを産むまでなかったので、夫やお母さんとか誰かが『(こうしたサービスに)行ってきな』と背中を押して、お金を渡してくれれば行けるが、なかなか自分からお金を払って前向きに行く気持ちにはならないと思うので、そこもなんとかしたい」と世のママたちの思いを代弁。
堀が「本当は自分へのケアを優先してもらえたらと思うが、だからこそ行政支援が必要」と改めて語ると、八代さんも「社会の認識も必要なのかなと思った。一時保育や短期保育は、お母さんが用事があるから、仕事に出たいからといったニーズがあることは理解していたが、お母さんを休ませてあげる必要性も高いということを知らなくてはいけないと思った」と頷いていました。
<番組概要>番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
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