都議会自民、不記載問題で都議会新議長は擁立せず

2025.01.30(木)

10:30

都議会自民党の不記載問題で、東京都議会の運営にも影響が出そうです。不記載が発覚した宇田川聡史議長の辞任表明を受け、都議会自民党は1月29日、新たな議長を擁立しない方針を明らかにしました。

都議会自民党の不記載問題で、東京都議会の運営にも影響が出そうです。不記載が発覚した宇田川聡史議長の辞任表明を受け、都議会自民党は1月29日、新たな議長を擁立しない方針を明らかにしました。

都議会自民党は23日、政治資金収支報告書に不記載があった問題で記者会見を開き、都議会で議長を務める宇田川議員を含む都議会議員らが謝罪しました。この際、宇田川都議は自身に138万円の不記載があったことが「議会を円滑に進めるべき立場の議長が混乱を招いた」「今後の議会運営への影響を考え、議長の職を続けるべきではないと考え、議長の職を辞する」として、議長を辞任する考えを表明しました。

これを受け、29日に都議会・議会運営委員会の理事会が開かれ、都議会臨時会を開く方針を決めました。宇田川議長の辞任を許可し、新議長を決める選挙が行われる見込みです。また、新たな議長については都議会の第1会派である自民党の小松幹事長はこの日「今回、宇田川議長の辞任につながったのは長年のわが会派の政治資金パーティーが発端。わが会派として新たな議長を選出する予定はない」と話し、会派内から新たな議長を擁立しない考えを示しました。

都議会臨時会は2月10日に開かれる見込みです。

<“都議会の顔”議長とはどんな存在?>

そもそも、都議会の議長とはどういうものなのでしょうか。

議長は都議会の全127議席の「都議会の代表者」という立場です。対外的な会合に参加するなど“都議会の顔”としての役割を担っています。都議会ではこれまで議席の数が最も多い「第1会派」から議長を出すのが慣例になっていて、都議会事務局の担当者は「議会が把握している1965年以降では、第1会派以外から選ばれた議長はいない」と話しています。そのため今回、第1会派である自民党が議長を出さずに他の会派が議長を出すとなると、極めて異例な事態といえます。今後は臨時の議会を開いて宇田川議長の辞任を許可し、新議長を決めるための議長選挙を開催する流れとなります。

<自民が議長擁立せず 他の会派は?>

第1会派が議長を出さないという異例の動きに対し、他の会派の議員を取材すると「自民党問題の後始末をさせられるのか。責任を取るなら自民自ら擁立してほしい」「議長の業務は多忙。議会の最中だけでなく、他にもいろいろな業務が入ってくる。都議選前の慌ただしい時期に積極的に務めたいとは思えない」など、冷ややかな声が聞かれました。

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