TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。「New global」のコーナーでは、2024年に2度の自然災害に襲われた能登半島の現状をキャスターの堀潤がレポートしました。

◆ピンチをチャンスに…
2024年1月1日、石川県能登地方で大規模な地震「能登半島地震」が発生。そして、その復興の最中、同年9月に同地を豪雨災害が襲いました。そんな能登の現状を今回はキャスターの堀潤が取材しました。
石川県輪島市・粟蔵を訪れると、地震から約1年が経つもののいまだ多くの被害が残り、さらには約3ヵ月前の豪雨の傷跡も。今も各所で重機が復旧・復興作業を進めています。
そんななか、1年に2度も大きな自然災害に見舞われながらも、復興に向けてもがいてきた人がいます。
輪島市で千舟堂 岡垣漆器店を営む岡垣祐吾さんは2024年の出来事について「1月1日、2日以降、ちょっとずつ積み上げてきたものが9月に1回ゼロとは言いませんけどちょっと戻ってしまって。もう1回積み上げればいいかなと思っていたんですけど、やっぱり積み上げてきたものが減っちゃう、なくなってしまうという心のダメージが大きくて……」と振り返ります。
岡垣さんは、地震で自宅も店舗も被災しました。しかし、復興のためにも輪島塗を伝えたいと2024年2月にニューヨークの見本市に参加。また、豪雨災害の際も静岡で行われていた展示会に参加し、職人の仕事につなげようと輪島塗を広めるべく奮闘していました。
被災した立場だからこそ、輪島を伝え続けてきた岡垣さん。「みんなでもう1回ものを作るという“輪島の底力”というか、それを作らないとなと思っていたんです。それで動いていたら、実は昨日、新しい下地の職人さんに一緒に仕事をしてもらえるようになって。震災がなかったら出会うのが遅かったかもしれない人もたくさんいて。僕らが復興して立ち上がる姿とか、ピンチをチャンスにできるかどうかというのは僕たちだと思うので、これからも助けてほしいところは『助けてください』と言うし、現状もお話しますし、今日もピンチをチャンスに変えに東京に行ってきたいと思います」と前を見据えていました。
岡垣さんの言葉を聞き、キャスターの田中陽南は「本当に前向きな言葉でしたけど、あの街の様子を見るとやっぱりそれだけではいかないですよね。もっと行政の手、助けの手が必要だと思います」と感想を口にします。
堀は、「こうした現場に関してはまさに公助が必要で、災害直後は自助でなんとか踏ん張ってきたけれど持たない。(1年に)2度の災害ですから」と語り、共助の必要性を主張します。
また、「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは「豪雨からの復興は地震からの復興とまた違っていて、雨水を掻き出す肉体的な大変さもあると思うし、同時に地域でそもそも過疎化が進んでいるなか、若い人たちが踏ん張らなくてはいけなくて、頑張ってまとめてきたけど、私が繋がりのある能登の方々の話を聞く限り、(彼らの)精神状態も限界にきているのかなと感じることが多くて。なので、外の私たちができることがもっとあったらいいなと思うし、できることはしたいなと思った」と率直な思いを吐露。
現地を取材した堀によると、地震によって地形が変わってしまったり、崩壊してしまった観光名所もそのまま。その復興をどうするか、その議論もまだまだ進んでいないと実感したといいます。
経済アナリストの馬渕磨理子さんは、能登半島地震では土地が隆起して被災地に車両が入りづらかったり、海からのアクセスも困難だったりと復興にあたってさまざまな問題があったことを挙げ、「もし東京で同じことが起こったとき、果たして同じようなスピード感で(復興が)進むのだろうかというクエスチョンはみんな持っている。行政、国が考えるスピード感や予算の当て方もやっぱりちょっと遅いし、足りない部分がまだまだあるように感じる」と危機感を募らせます。
これを受けて堀は、「被災地の奮闘は続く。能登に、そしてそのほかの災害被災地にも注目してください」と視聴者に訴えていました。
<番組概要>番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
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