フジテレビ異例の10時間超会見 フジ記者「情報隠蔽だ」首相「説明責任を」

2025.01.29(水)

10:10

フジテレビが1月27日に開いた“やり直し会見”は、異例の10時間を超えるものとなりました。

フジテレビが1月27日に開いた“やり直し会見”は、異例の10時間を超えるものとなりました。

会見では社長の港浩一氏と会長の嘉納修治氏が辞任を表明したほか、トラブルへの対応について記者からの質問が相次ぐ中、フジテレビ社会部の記者は「日頃、たくさんの企業や個人の不正や疑惑について厳しく追及しているので、本当にこのようになって申し訳なく思う」と会社の対応を謝罪した上で「少しでも事実関係の解明に役立てればということで、質問させていただく」と発言しました。そして、会社の上層部に対し「港社長が女性の『誰にも知られずに』という気持ちやプライベートな領域でのことだというのを盾にして、情報隠蔽(いんぺい)をしているのではないか」と追及し、情報隠蔽だと詰め寄りました。これに対し、港氏は「守りたいとか隠したいという気持ちはなかった。女性の心身の状態を最優先で考えなくてはいけないタイミング、時期もあった。何が刺激になるか分からない。そういう中で、番組の終了に時間がかかってしまったことはとても反省している」と釈明しました。

午後4時から始まった会見は途中におよそ15分間の休憩を挟みながらも、日付をまたいだ28日午前2時半ごろまで続きました。10時間以上に及ぶ会見は記者からの質問に対して港社長らが回答を控える場面があった一方、記者からもやじや怒号が飛ぶなど、今後のメディアの姿が問われる会見となりました。

会見から一夜明けた28日、放送行政を所管する村上総務相は「きのうの説明を含めて今後もさまざまな機会を捉えて説明責任を果たすとともに、第三者委員会で早急に事実関係が明らかにされ、視聴者やスポンサーの信頼が回復されることが必要」と語り、フジテレビに対し、今後も説明責任を果たし信頼回復に努めるよう求めました。

さらに、石破首相も国会でフジテレビの問題について問われ「説明責任を十分に果たすことが重要」だという認識を示しました。また、海外メディアからはフジテレビの対応に批判的な報道が出ていて、イギリスのインディペンデント紙は「この改革がフジテレビの信頼を回復し、スキャンダルによって明らかになった組織的な問題に対処するのに十分かどうかはまだ分からない」と伝えています。

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