思わず納得…有識者が語る日本の“労働生産性”が低い理由とは?

2025.01.29(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。番組では、日本の“労働生産性”について取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。番組では、日本の“労働生産性”について取り上げました。

◆世界と比べて格段に低い日本の労働生産性

2023年の労働生産性の国際比較が発表に。労働生産性とは、労働者1人が一定の時間でモノやサービスの付加価値をどれだけ生み出したかを示すものです。

日本は1時間あたり5,379円で、OECD(経済協力開発機構)加盟国38ヵ国中29位。1位のアイルランド(1万4,666円)の約4割、8位のアメリカ(9,250円)の約6割にとどまっています。2022年よりは順位を2つ上げていますが、G7では1970年以降、最下位が続いています。

◆日本の現状に識者は…?

キャスターの堀潤は、この“労働生産性”という言葉について、「昨日と同じ自分はいらないという考え方」とし、「昨日と同じことをやっていたら付加価値がつかないから、今日の自分は新しい何かプロジェクトを立ち上げたり、新しい価値を提案していくということに国民一人ひとりがどれくらい取り組んでいますか、という話」と解説します。

これに、タレントのふかわりょうさんは「同じことを繰り返すのはよくないということですかね。(自分は)新しいことをやろうみたいなことあまり思わないタイプなので」と悲観していると、堀は「でも、それが本当に幸福の価値、目指すべき世界なのかどうかは分からない。世界的には脱GDP、1人あたりの話をやめましょう。もっと違う価値があるという議論もある」とまた別の考え方を示します。

また、ふかわさんから「(1位の)アイルランドはなぜこんなに高いんですか?」と率直な質問が投げかけられると、関西大学特任教授の深澤真紀さんが回答。

「こうしたデータで面白いのは、実は上位の国はだいたい女性差別が少ない。それは女性が差別されないからではなく、古いシステムを変えることを恐れないことが結果として繋がっている。女性の閣僚が多い=女性差別をしないということを言っているのではなく、さまざまな既得権益を解決していこう、多様な声を聞こうとすると結果的に女性差別が減ったり、女性閣僚が増えたり、GDPとかが上がるということなので、ひとつの指針にはなる」と言います。

一方、経済アナリストの池田健三郎さんは、日本の生産性が低い要因のひとつに“おもてなし”があると指摘。「日本は特にサービス業が(生産性が)低い。その原因は日本型のおもてなし、“お客さまは神様です”という考え方。旅館のサービスはめちゃめちゃ丁寧。でも、チップは貰わない。サービスに応じてチップをもらうのは(世界的には)当たり前なんだけど、日本はやらない。(そこが)貨幣価値化されていない、全部無料になっている。これはGDPに変換したら良くない」とその理由を語ります。

この意見には、ふかわさんは「おっしゃる通り、おもてなし、無料の良さがこうした尺度だと、足を引っ張っているということですね!」と納得の様子。

堀も「いろいろ工夫をしてもこうした数字には反映されないということですね」と頷くと、池田さんは「バブル期とか日本も余裕があるときだったら(無償提供をするのも)いいが、今は(日本も)全然余裕がないんだから」と話していました。

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<番組概要>番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx

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