2月に開始から3年となるロシアによるウクライナの軍事侵攻が続く中、東京・杉並区役所で区内に住むウクライナ人の講演会が開かれました。

ウクライナ西部の街で育ったイェブトゥシュク・イーゴルさん(34)は2015年に来日し、日本の大学院で国際関係論を学んだ後、日本のIT企業で働いてます。10年前にロシアがクリミア半島を侵略した際には通訳として日本のメディアと共に現地に滞在しました。
1月8日に講演に立ったイーゴルさんは「ウクライナ人にとって、戦争は2014年からスタートしている。この戦争は3年ではなく10年も続いている」と話し「プーチン(大統領)は『クリミア半島にロシア軍はいない』と言ったが、ウクライナ軍基地を訪れて、自分の目でその周りに立つフル装備のロシア軍を見た。その時、ロシア政府は全く信ぴょう性がないというのを自分の目で確認できた」と証言しました。
イーゴルさんは現在も母国・ウクライナのため、支援の一環として講演活動を通しウクライナに起きた惨状を伝えています。イーゴルさんは「そこ(ブチャ)に入ったロシア軍は酔っぱらって戦車で建物を撃ったり、住宅の鍵を壊してそこから貴重品を持ち出したり。それを経験した1人は杉並区に避難している」と訴えました。
講演会に来場したおよそ100人の人たちは、自分たちができるウクライナへの支援について改めて考えたようです。来場した人の中には「優しい平和的な方々が一方的な戦争に巻き込まれて、とても悲しく思いました」と話す人や、自身の太平洋戦争での東京の空襲を思い出し「私は都立家政駅近くに住んでいたが、空襲で真っ赤に空がなった様子も覚えている。本当に戦争は嫌。私たちも協力して、自分は何ができるのか真剣に考えながら、ウクライナの人たちと平和を求めていきたい」と話す人もいました。