賃上げ・USスチール買収・トランプ氏… 企業経営者に聞く「今年の経済は?」

2025.01.09(木)

19:00

今年も値上げの波が予想される中、1月7日に開かれた経済団体の新年会で各企業のトップに「今年=2025年の経済の展望」を聞きました。

今年も値上げの波が予想される中、1月7日に開かれた経済団体の新年会で各企業のトップに「今年=2025年の経済の展望」を聞きました。

日本商工会議所などの経済団体が合同で開いた新年の祝賀会には、大手企業の経営者らおよそ1500人が出席しました。冒頭のあいさつで経済同友会の新浪剛史代表幹事が真っ先に触れたのは「賃上げ」でした。新浪氏は「まずなんと言ってもインフレ下で消費者物価指数を上回る賃金をしっかりと定着させることが不可欠。労務費を正当に反映しやすい環境づくりを一層加速してまいりましょう」とあいさつしました。

各企業の経営者は今年のさらなる賃上げにどういった姿勢で臨むのでしょうか。そして今年の経済の展望をどう描いているのでしょうか。聞きました。

出光興産・木藤俊一社長:
「2025年、日本国内は底堅い『堅調』に推移するのではないか。インバウンド需要もある。個人向けの投資の後押しもある。あるいは賃上げ。われわれも積極的に大企業の使命としてやっている」「(どのぐらいの賃上げを考えている?)額はまだ決めていない。ただ、3年前から毎年ベースアップや定期昇給で、かなり思い切った賃上げをやっている。賃上げは積極的に今年もやっていくことになると思う」

キリンホールディングス・磯崎功典会長:
「われわれは今年、ビールを値上げする。当然それに報いるだけの賃上げをしていかないといけないと思っている。これは会社の社員のためだけでなく、日本の企業に対して背中を見せることだと思う」

一方、各経営者から懸念の声が上がったのが、日本製鉄のUSスチール買収計画に対するアメリカ・バイデン大統領の「中止命令」についてです。

ANAホールディングス・芝田浩二社長:
「これは正直残念。一番心配されるのは、こういう決定によって日本企業の対米投資や対米感情の変化が、結果的に人と物の流れに関わってくること」

キリンホールディングス・磯崎会長:
「もし本当に国の政策、政治判断で(中止に)なるとしたら、これは相当由々しき問題だと思う。今後のアメリカ経済、どんどん投資しろって言っているわけです。逆にみんな(投資に)二の足を踏むようになる。これは矛盾していると思う」

また、間もなくアメリカ大統領に就任するトランプ氏がすでに公言している中国などへの関税強化も注視されています。

ローソン・竹増貞信社長:
「中国にわれわれ6500店舗を展開していて、日本に次ぐ店舗数を抱える大切な国。事業としては、自分たちのお客さまをよく見てお客さまの変化をしっかり商品・サービスに反映していく。これに集中していくことだと思う」

ANAホールディングス・芝田社長:
「関税の対応はわれわれとしても非常に気になるところ。特に中国から日本を経由してアメリカに行く荷物・貨物、中国から日本を経由してアメリカに渡る人の流れ、これは相当数ある。ここがどうなっていくのかしっかり注視していきたい」

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