東京・新宿区にある日本語学校で、中国籍の学生たちが認知症について学ぶ特別授業が行われました。

この授業は、認知症対応のグループホームなどを運営する企業が、地域住民の一員である日本語学校に通う外国人たちにも認知症への理解を深めてもらおうと実施しました。
認知症の人を1万人以上ケアしてきたという介護の専門家が講師を務め、中国人の学生たちに認知症の基本的な知識や症状を紹介しました。講師の男性は「誰にでも認知症になる可能性はある。高齢者だけでなく、18~64歳の人でも2000人に1人は認知症になる」と説明しました。
またグループディスカッションも行われ、発表した学生からは「GPSを使って、どこにいるかすぐ分かるようにできないか」「119番のように、認知症の人にサービスを提供する専用ダイヤルのアイデアはどうだろう」など、認知症の人も生きやすい社会にするためにITの活用や新たな支援の枠組みが必要だといった意見が出されました。
今回の授業を通して、学生たちは中国における認知症ケアにも関心を高めていました。中国人学生の中には「日本で会社を設立して、日本や中国などで(認知症など)精神障害のある人を助けたい」「日本には先進的な養護サービスや技術が多くある。日本で得た知見を中国で生かし、お年寄りを助けたい」と話す人もいました。