TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜18:00~)。「Newglobal」のコーナーでは、日本政府が強化を進める“SDA(宇宙領域把握)”について取り上げました。
◆世界各国が重要視する宇宙領域
11月4日、国産の新型ロケット「H3」の4号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。そして、ロケットに搭載された防衛省のXバンド通信衛星「きらめき3号」は予定通り分離し、打ち上げは無事成功しました。なお、H3ロケットは、今年度で運用が終了するH2Aの後継機で、将来的に目標となる高い信頼性・コスト削減などが期待されています。
キャスターの堀潤曰く、今回のロケットに搭載されていた“Xバンド通信衛星”とは、主に日本の軍事通信に利用される衛星で、どんな天候のなかでも安定した運用ができる極めて重要なものだとか。これまで民間のものを使用していましたが、それが老朽化。そこで日本製のものを使い、防衛省管轄で運用するようになったそうです。
人工衛星の打ち上げは世界的に年々増加しており、10年間で約14倍に。スペースX社の登場によって、打ち上げ能力が飛躍的に上がっているアメリカ、そしてロシアに続き、近年は中国も台頭している一方で、日本は301機とその数は大きく離されています。
そうしたなか、日本政府が強化しているのが“SDA(Space Development Agency:宇宙領域把握)”です。これは一部の国で開発が進んでいるキラー衛星や衛星攻撃ミサイル、ジャミング兵器などの脅威に対し、衛星の運用状況・意図や能力を把握し、宇宙空間における安全保障をしっかりやっていこうという防衛に関わる大きなテーマ。Xバンドもまさにそのひとつで、さらには軍事面だけでなく自衛隊の運用など災害時の対応にも深く関わってくるそうで、堀は「これは時代のキーワード、ぜひ覚えておいてほしい」と強調します。
また、堀によると、この能力は世界が求めているところもあるそうで、各国との連携を強化するためにも重要。その上で日本は2022年11月にオーストラリアと防衛宇宙パートナーシップに関する趣意書を締結。そして、フランス・イギリス・ドイツとも情報の共有を深め、2023年3月にはカナダとも机上演習を初開催するなど、各国と宇宙領域における連携を進めています。
一連の話を聞き、フリーアナウンサーの荘口彰久さんは、「中国が打ち上げている衛星はかなりの量が軍事用だということで、我々が子どもの頃に思っていたのとまた違う宇宙戦争が……」と案じていました。
<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 18:00~19:00(※18:55終了の場合あり) <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx