10月27日に投開票を迎える衆議院選挙について、TOKYO MXは東京都内の注目選挙区の選挙戦をお伝えします。今回は港区と渋谷区が選挙区となっている「東京7区」です。東京7区には届け出順に自民党・新人の丸川珠代さん(53)、参政党・新人の石川友梨香さん(28)、立憲民主党・元職の松尾明弘さん(49)、日本維新の会・前職の小野泰輔さん(50)の4人が立候補していて、いわゆる「裏金問題」を巡って新人・元職・前職がせめぎ合う構図となっています。
自民党の新人・丸川珠代さんは参院議員からくら替えして衆院選に挑戦しています。政治資金収支報告書に822万円の不記載が発覚し、党の処分を受けるなど裏金問題で逆風を受ける中、20日は表参道で街頭演説に立ち「真摯(しんし)に反省をしている」と強調し、支持を呼びかけました。丸川さんは演説の中で「真摯な反省から新しい政治をつくっていく。どうか私に機会をください。しっかり政治家が変わる、政治を変える。取り組んでいく」と訴えていました。五輪相や環境相を務めた経歴を訴えるとともに、政治資金の透明化を図るため、第三者機関を設置すると主張しています。丸川さんは取材には応じず、記者からの「どのような政策を訴えていくか」という問いかけには「しっかりと政治改革と経済対策、皆さんへの…」とだけ答えました。
立憲民主党の元衆院議員の松尾明弘さんは「裏金問題の徹底追及」を掲げ、自民党の体制を強く批判します。松尾さんは「裏金政治を終わらせることができるか、象徴区になっている。裏金ど真ん中822万円、こういった自民党の候補を代表として国会に送り出していいのか」と主張します。松尾さんは序盤では裏金批判を中心に訴えていましたが、中盤以降は所得の向上など生活者視点の政策をアピールしていく考えです。松尾さんは「働く全ての人の給与を上げる。これを1本芯を通して、少子化の話、社会保障の話、財政赤字の話、日本の課題を解決していくことができるという話をしている」としています。
日本維新の会・前衆院議員の小野泰輔さんは「政治とカネ」の問題に対しては法律を改正する重要性を唱えます。小野さんは「裏金議員がまた当選すれば、それでみそぎが済んだと済ませようとしている。そういう態度ではまた同じような政治とカネの問題が自民党から出てくる」と訴えています。小野さんは政界再編の必要性を主張していて、今回の選挙で自・公の議席を過半数割れにすることが重要だと強調します。小野さんは「本質はやはり企業・団体献金。お金の出口の問題をあいまいにしている」と指摘した上で「政治改革をして本当に議論ができるような国会の環境をつくっていく」と話しました。
参政党・新人の石川友梨香さんは「裏金問題は選挙の争点ではない」と訴えます。石川さんは「日本は今、いろいろな問題が政治不信になると取り沙汰されているが、これよりも必要なことは『国民が何に困っているか』ということ」といいます。石川さんは減税などの政策で経済の活性化を図ると主張していて「まず財政的な余裕を国民が持つことが重要。だからこそ経済的なサポートができる減税と積極財政をやっていきたい」と訴えています。
■衆院選・東京7区(港区・渋谷区)立候補者(届け出順・敬称略)
丸川珠代(53)自民・新
石川友梨香(28)参政・新
松尾明弘(49)立民・元
小野泰輔(50)維新・前