10月15日の公示を前に、事実上、衆議院選挙の選挙戦が展開される中、4人が立候補する予定の東京9区では自民党候補の「非公認」により、保守分裂の見通しとなっています。衆院東京9区は練馬区の一部が選挙区となっています。

今村洋史さんは自民党派閥の裏金事件を受けて衆院選では非公認となりましたが、無所属で出馬すると表明しています。今村さんは「この(石破総裁の写った)ポスターはきょう届いた。無所属だが、自民党としてはこれを貼れと、叱咤(しった)激励の意味ですかね」と話します。また、非公認になったため、党名の入ったポスターを作り直すなどの対応に追われていると話します。今村さんは「全ては身から出たさび。自業自得だと納得している。ポスターも『自民党公認』と入れているものを全て破棄し、新たに作り直すことが必要になった。変化があるので、非常にバタバタしている」と話しました。
菅原一秀さんは公選法違反罪で2021年に略式起訴され、公民権停止を受けていました。今年7月に公民権が回復し、10月9日には自民党に復党したことを発表していますが、現時点では無所属で出馬する見通しです。菅原さんは「原点に戻って挑戦させていただく。古い自民党から新自民党に変えていく」といいます。また「自民党も生まれ変わっていかないといけない。私も3年間、こうした経験をして、街の声を聴いたからこそ、中から自民党を変える」と話しています。
立憲民主党の山岸一生さんは、自民党内での「内輪もめはもう十分」だと指摘し、公正な政治への変革を訴えます。山岸さんは「公認する・しない、『裏金劇場』の舞台として東京9区はにわかに注目されている。この裏金劇場自体が国民不在の政治の表れだと思っている。内輪向けの話ではなく、本当の意味で国民目線、生活者目線、働く人目線の政治を立て直す」と訴えます。
日本維新の会の大河内茂太さんは、東京9区について「政治とカネ」の問題が根付いていると批判します。大河内さんは「古い政治は打ち壊して、新しい風を吹かせないといけない」とした上で「最大の争点は『政治とカネ』の問題。『政治とカネ』の原点ともいえる選挙区だ。透明で緊張感のある政治を実現しなくてはいけない」としています。