日本の“解雇規制”は緩い?それとも厳しい?世界との比較から考える現状

2024.09.24(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。9月13日(金)放送の「New global」のコーナーでは、世界の“解雇規制”に関する現状を取り上げました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。9月13日(金)放送の「New global」のコーナーでは、世界の“解雇規制”に関する現状を取り上げました。

◆総裁選の争点のひとつ「解雇規制」

自民党総裁選の争点のひとつにもなっている“解雇規制”。これは労働契約法で客観的に合理的理由がない解雇に関しては無効で、裁判の判例の積み重ねによりルールが形成されてきたものです。

 

業績悪化による「整理解雇」いわゆるリストラと言われるものには、「人員削減が必要か」「解雇回避の努力をしたか」「対象者選定は合理的か」「労働者側と事前協議したか」という4つの要件を満たす必要があるとされています。

しかし、現実には会社にいてほしくない人を業務がなく机だけ置いてあるようなところに追いやり、自主的に退職を促す“報復人事”なる言葉もあり、一部の組織で行われてきた歴史があります。

そのため日本では解雇というものに対し、労働者と雇用主が対等な関係を作るための法律が機能していますが、一方で「日本はこれが厳しすぎるから流動性が生まれない」という指摘もあります。

◆日本の解雇規制は世界に比べて厳しい?

世界の解雇規制の厳格性をOECD(経済協力開発機構)と消費者庁などが比較したデータを見ると、労働者の保護の程度でいうと、日本はOECD加盟国37ヵ国中11番目に規制が緩いとされています。なお、トップはアメリカで、ドイツや韓国、フランスは日本より厳しいと位置付けされています。その要因は解雇手続きが簡単であったり、解雇予告期間が短いこと。さらには、金銭解決制度がないといったこともポイントとなっています。

 

具体的に見ると、アメリカでは解雇の正当な理由が不要。そして、解雇通告も書面なしとされていますが、アメリカで社会人経験のあるタレントのREINAさんからは、そんなに簡単ではないとの指摘が。「アメリカは転職大国であると同時に訴訟大国でもあり、企業側も(解雇規制には)すごく気をつけている。多くの企業は評価制度をガチガチに決めていたり、企業を守るための施策をとっている」と言います。

一方、日本より規制が厳しいドイツでは、解雇に関して“金銭解決制度”を導入しています。そして、キャスターの堀潤によると、これを日本でも取り入れていこうという議論が始まりつつあるそうです。

「The HEADLINE」編集長の石田健さんは、この件に関し「明文化された制度だけでなく、ジョブマーケットがどれだけ充実しているかとか、転職に関する規範などいろいろな要因が関わってくると思う」と解雇規制問題の難しさを示しつつ、「そこを突き詰めて考えると、今回は昭和的な働き方、年功序列や終身雇用から、いかに変えていくのかが議論の本丸だと思う。労働者をサポートする制度をしっかり作りながら、働き方をどうやってアップデートしていくかという議論が進んでいけば」と期待していました。

※この番組の記事一覧を見る
    
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事