TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、“若者のニート率”について着目しました。
◆若者の5人に1人がニート
去年、世界の15歳~24歳の20.4%(約5人に1人)が就業や就学をせず、職業訓練も受けていない、いわゆる“ニート”だったことがILO(国際労働機関)の調査でわかりました。
若者のニートのうち、女性の割合は28.1%で男性の13.1%に比べて2倍以上。
また、25歳~29歳の若年成人に対し、低所得国で安定的に給与を得られる仕事に就けるのはわずか5人に1人。
高所得国でも臨時の仕事が増え、地域によっては若年成人の20%~25%が臨時の仕事に従事しているということです。ILOは若者の将来への不安が高まっていると指摘した上で、若い世代の雇用が社会の安定につながると訴えています。
◆「ニート」の課題解決に必要なこととは?
脳科学者で理学博士の茂木健一郎さんは、「ニートの問題は、平和の問題につながっている」と言います。なぜなら、誰もが安定的に働き、幸せに暮らしていたら戦争をしようという圧力は生まれないから。
続けて、「僕は仕事柄、学生や若者とよく話すが、最近はいろいろな意味でミスマッチがある。今までの学力感と仕事のニーズがあっていなかったり、学校でコミュニケーションなどのスキルを学ぶ機会がない。みんなで力を合わせて何かをするグループワークの経験もない」と現状を懸念します。
新公益連盟 代表理事の白井智子さんも「国によってその背景が何かは気になるところだが、今はAI(人工知能)が台頭し人間しかできない仕事、人間に残された仕事が明らかに変わってきているなかで、子ども・若者が受けてきた教育と社会から人間が要求されている能力にズレ、ミスマッチがある」と茂木さんの指摘に同調。
一方、「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんは、女性のほうが男性よりもニート率が高いことに着目。「これは日本でも問題になっているが、例えば、家事や育児がどうしても女性の仕事とされている構造の問題がある。役割が変わってきているようでまだまだ変わっていないところが数字に出ていると思う」と意見し、「国によると思うが、意思決定が年代的に偏るなかで若い世代がシステムのなかで後手後手に回り、その結果、不安定な仕事を得るポジションになってしまう傾向があると思う」と指摘します。
加えて、キャスターの豊崎由里絵も「日本に関していえば、例えば、介護は基本的に在宅を前提にしている現実があったり、日本の標準家庭がいまだに家族4人で専業主婦であるようなところから変わっていかないと、若者の将来不安は消えていかないと思う」と話していました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag
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