全国の20代以上の2万人以上を対象に調査した「住みよい街ランキング」では、東京からは7つの自治体がベスト10にランクインし、多摩地域の武蔵野市が2年連続で1位となりました。武蔵野市のどんなところが「住みよい」のか、地元の人たちに聞きました。

武蔵野市は、東京駅から電車で約30分ほどの距離にあり、吉祥寺駅などを中心に商業施設や飲食街などが集まっています。
日経BO総合研究所が行った「住みよい街ランキング」では、武蔵野市は、分類別に、街の活気や若者の多さといった「街の活力」が全国でトップ、施設の充実などの「生活インフラ」が高い評価を得ています。
武蔵野市民(70代):「サイズ的に徒歩圏内でだいたい生活のものが揃っている。あとは、周りに公園とかもわりかし近いので…」
武蔵野市民(90代):「確かに便利は便利。私みたいな足が不自由な人間にもとても便利」
武蔵野市に隣接する杉並区の住民も…
杉並区民(30代):「ベビー用品を売っているところも多いですし、遊び場も結構あるので、ここにくれば子どもの用事や買い物は済むかな」
また調査のなかで「気に入っている場所」として多く挙げられたのが、自然あふれる都立公園として知られる井の頭公園で、「季節を問わず散歩やジョギングに適している」「緑の豊かな場所が繁華街に隣接している」などの声があがっています。
さらに、2011年に武蔵野市が開設した複合施設「武蔵野プレイス」も人気スポットに挙げられ、図書館やカフェなどが入る市民の憩いの場として選ばれています。
「住みよい街ランキング」2年連続1位に小美濃市長は、「市民参加の分野などもさらに順位を上げられるよう、努力したい」と意気込んでいます。
武蔵野市 小美濃市長:「1位ということで発表していただいたことは大変嬉しく思いますし、歴代市長、歴代議会が武蔵野市の街づくり、また福祉等々に対して一生懸命に取り組んできた」
改めて今回のランキングについて詳しく見ていきます。全国の20代以上のビジネスパーソン約2万2000人が、自分が住んでいる自治体の「住みよさ」を、「安心・安全」「生活の利便性」など8つの分野から39項目で評価したものです。
1位の武蔵野市は「街の活力」や「生活インフラ」の評価が非常に高く、項目別では「いろいろな面白い人、魅力的な人が住んでいる」、そして、「住民が利用できる運動、スポーツ施設が充実している」で全国1位の評価となりました。
武蔵野市以外では、4位となった千代田区について細かくみていきます。千代田区では「生涯学習プログラムが充実している」「多様な地域参加の機会がある」この2つの項目で全国1位となっています。
千代田区に取材をしたところ、「生涯学習」については公共施設を学びの場として活用するサークル活動や学習に関する補助制度などが評価されたのではないかと分析していて、「地域参加」に関しても江戸三大祭りの一つでもある神田祭をはじめとしたさまざまな伝統行事があることが千代田区の強みだと話していました。また区の担当者は「必要なサービスが区民に届き評価を得たことがうれしい。今後も区民の幸福度を高める取り組みを展開して住みよい千代田区を目指したい」とコメントしています。
続いて全体では8位となった渋谷区ですが、「アクセスのよさ」や「公共交通機関の充実」などさまざまな項目で全国1位となっています。100年に一度といわれる渋谷の街の再開発の後押しもあり、活気ある街が「住みよい街」として評価された結果となっています。ただ一方で評価されなかった部分が繁華街ならではの理由です。多くの人が行き交う都市であることから「街が静かではない」「土地代が安くない」という評価が全体のランキングを下げた形となりました。
今回、実際にその街に住んでいる人たちが評価した調査で、都内からは7つの自治体がランクインした結果となりました。今後もより住みやすい街づくりをどう進めていくのか、それぞれの自治体の舵取りに期待したいですね。