TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、キャスターの堀潤が、ヨルダン川西岸地区にある街・ジェニンの厳しい状況を現地から伝えました。
◆町では少年が殺され、病院も満足に運営できないジェニン
6月下旬、堀が訪れたのは、ヨルダン川西岸地区北部にある町・ジェニン。中心地は非常に栄えているこの町は今、ヨルダン川西岸地区のなかでも特にイスラエル軍から激しい攻撃を受けている地域だということです。
攻撃を受けた現場には、いまも無数の銃痕が残されています。
また、郊外には難民キャンプもあり、そこは至るところが破壊されています。そして、難民キャンプ近くにはジェニン唯一の病院があるのですが、堀が関係者に話を聞いてみると、ハマスが攻撃を開始した昨年10月7日以降、約260人の負傷者と70人以上の殉教者(亡くなった人)を受け入れているといいます。
しかも今は財政難に陥っており、限られた日数しか病院を開けることができません。さらには、病院の敷地内でイスラエル軍による銃撃が行われ死者が出るなど、非常に危険な状態が続いています。
そうしたなか、前述の病院関係者は、「(イスラエル軍は)学生、医者、民間人を殺した。私たちは日本にも政府にも国民にもパレスチナ国家を認めてもらいたい。占領は私たちの生活を破壊し、未来を破壊し、全てを破壊したが、自由国家を認められること以外にこの被害から抜け出す方法はないからだ」と懇願します。
◆堀潤の現地リポートに、識者の反応は…
ジェニンでの取材を経て、堀は「映像を観るだけではそこでどういった圧力が加わっているのか伝えきれないことがあるが、その断片でもいいので、ぜひ皆さんに知っていただきたい」と訴えます。
関西大学特任教授の深澤真紀さんは、限られた日しか開くことができない病院の現状にショックを受けつつ、このイスラエル・パレスチナ問題の根幹に言及。「1948年にイスラエルが建国されたときからパレスチナの難民が生まれ、それが“ナクバ”(1948年のイスラエル建国にあたり、多くのパレスチナ人難民化した出来事)だった」と語り、「本来であれば今年2月にバイデン政権はイスラエルの入植地拡大は国際法違反だと方針転換していた。なのに、結局こうした事態になってしまったという意味では本当に矛盾を抱えており、改めて現場を見ると本当につらい」と悲嘆。
一方、アーティビストの黒部睦さんは、「日本は今後どうしていくのかをすごく問いたい」と日本の姿勢を憂慮し、「(パレスチナの)国家承認も日本がやろうと思えばできることだと思う」と私見を述べます。
また、「もしも一時停戦されたとして、日本は(パレスチナを)支援する側、資金を投入するのか。それともイスラエルを支援し続けるのか。その辺りは市民が声をあげないといけないと思うし、日本に求められていることは何か、しっかりとその声を聞いてほしい」と切望します。
株式会社トーチリレー代表の神保拓也さんは、今回の堀の取材を通して「我々はニュースで観ていると戦争が早く終結できる・できないの話になりがちで、当然早く終わったほうがいいが、実際に戦争に遭われた方々は終わった後も(苦しみは)続く。そうすると憎しみの連鎖が断ち切れず、また戦争は行われてしまうと思う。だからこそ、1日も早く戦争を終わらせ、その後の話に移していかないといけない」と言います。
総じて堀は、「イスラエルとパレスチナは政治的な問題ではなく、命を奪われる必要のない一般市民の人権が侵害されている。我々は一致団結しましょう。戦争はストップ、やめるべき。虐殺もやめるべき。声をあげていきましょう」と視聴者に呼びかけていました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag
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