生活にゆとりなし…国民の55.7%が暮らし向き悪化、この状況を打開するために必要なことは?

2024.07.25(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、生活意識アンケートの調査結果に着目しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、生活意識アンケートの調査結果に着目しました。

◆半数以上が1年前より暮らし向き悪化を実感

日銀が発表した6月の生活意識アンケートによると、1年前より暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と回答した人の割合は、3月の前回調査から6.2ポイント増の55.7%に。

一方、「ゆとりが出てきた」と答えた人は1.7ポイント減の3.6%でした。これは歴史的な円安などで物価高が進んだことが影響していると見られます。

また、物価については、1年前よりも「上がった」と感じている人が0.6ポイント増の95%。物価高に対し賃金の上昇が追いつかない状況が続くなか、今後1年間で商品購入等の際に重視することを聞いたところ、「価格が安い」が59.5%で最も多く、節約志向が強くなっていることが明らかになりました。

◆暮らし向き悪化55.7%…打開策は?

経済ジャーナリストの荻原博子さんは、暮らし向きの悪化だけでなく、「日本の実質賃金は、もう2年以上対前年比マイナスになっている」と危惧。さらには、「日本は内需の国で決して輸出の国ではない。内需が半分以上占める国なのに、GDPの消費はガンガンに減っている」と案じます。

そして、今後の見通しについて、「悪いことに今、倒産ラッシュが起きている。バブルの頃を超える倒産率になってきている。しかも、それが予測によると(ピークは)今年ではなく、この先もっと酷いことになっていくと出ている」と語り、「政治は裏金ばかりだが、もっと私たちの生活に対し、どう視線を向けてくれるのか。今の状況をなんとかしてくれと思う」と切実な思いを吐露。

なお、帝国データバンクのデータでは、2024年上半期の倒産件数は4,887件。これは2014年以降最多で、負債額が小規模な企業の倒産が目立つとの企業統計が出ているそうです。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、「政治のコストをもっと生活に振り向けるというのは、まさにその通り」と荻原さんの意見に同調する一方で、「ただ、倒産は増えているが、完全失業率は上がっていない」と指摘。

さらに、「毎年15万件ぐらい新規で創業する人がいる。だから、企業が倒産したとしても人は移動すればいい。企業倒産は確かに問題ではあるが、そこを生活と直接結びつけるのではなく、新規産業を推奨していく、人が流れていくことを肯定しないといつまで経っても(日本の社会は)変わらない」と持論を述べます。

大空さんの指摘に「The HEADLINE」編集長の石田健さんも同意し、人の移動に必要なものとして“労働政策”を挙げます。さらには「新しい事業を起こしやすい環境、そして、どの事業が希望があるのかを政府として打ち出す。この2つの軸を議論しないと、向こう2年、3年後も状況は良くならない」と述べます。

重視すべきは新たな産業とする2人に対し、一方で荻原さんは、「僻地の診療所など潰れてはいけないところが今、潰れている。そうしたところが今後もどんどん潰れていくことがものすごく懸念」と現実を直視し、不安を訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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